【PasocomMini PC-8001使用レビュー】ウルサイ人が使うとどうなっちゃうのか!?(後編)

ゲーム保存協会の福田です。

「ウルサイ人がこういうものを手に入れてしまうと何を始めるのか?」というレビュー、第二弾、後編。

前回から、PasocomMiniでのエミュレーションのメニューを一通り紹介している。メニューは7つあり、MACHINE、PCG8100、MEDIA、STATE、CONVERT、GAMEPAD、DISPLAY。前回は、「STATE」までだったが、今回は「CONVERT」からだ。

では早速、続きをレビューしていく。

 

CONVERT

ここではPCM(WAV)ファイルやT88形式のCMTイメージをCMT形式に変換することが出来る。

結構な目玉な機能と思ったが、色々と思わぬ問題があった。

 

パーティション1のFAT32のパーティションにある、CONVERTというディレクトリにファイルを置いておく必要があり、他のディレクトリなどは選択できない。

またMEDIAなどとは異なり、サブディレクトリは選択は出来なかった。

更にこちらも先程のMEDIAでの注意と同様に、日本語名や()などの記号が使えない。

 


まず、T88からの変換は問題なく、数秒で完了する。

#まあ、当たり前か?

問題はwavからの変換である。
今回、いくつか実験してみた。

別なレビューやインタビューにもあるが、基本的なフォーマットのN-BASICもしくはマシン語で600ボーのものだけしか変換できない。

しかしそういうものでも変換できないものがいくつかあった。


自分はもともと所有しているCMTは全てSANYOのMR-33DRで再生し、96KHz16ビット1チャンネル(左)という形式でPCM(WAVファイル)として保存している。

保存したWAVファイルは、既存のエミュレータ用ツールでCMT形式などに変換し、エミュレータでの使用を確認するなどしてチェックしていた。

今回、CONVERTの機能をチェックするに辺り、既に保存済みのWAVファイルを用意した。

試してみたソフトはこれら


ツクモのスーパーインベーダー、富士音響のスーパーペンギンとスーパーゴリラ、電波新聞のDigDug、内藤時浩さんのNew CITY HEROだ。

 

まず、これらのテープや作成していたWAVファイルに問題がないか、通常PCでのCMTへの変換を再度チェックした。

具体的なツールはhal_8999さんのj80エミュレータ用ユーティリティであるcmt8001 r6_12 Version6.4.2を使用した。残念なことに現在は配布が見合わせられてしまっている。

またWAVファイルを48KHz、8ビット、1チャンネルに変換した。

この環境で、今回用意したテープとWAVファイルが殆ど一発で変換できた。多少のフィルター調整が必要だった程度で、フォーマットも含めて問題なく変換され、変換に必要だった時間は1ファイルあたり、おおよそ3秒程度。

#ここ重要

作成されたCMTファイルは、PC上のエミュレータj80でも、PasocomMini PC-8001でも動作することを確認した。

 

変換されたCMTファイルと元のWAVファイルはSDカードへコピーしておき、その後CONVERTの機能を使用してみた。

事前のインタビューでは、ある程度のサンプリング周波数、量子化ビット数に対応しているという話であったので、通常のマシン語ブロックのみのNew CITY HEROのWAVファイルを、いくつもの形式に変換した。

その他のソフトについては、cmt8001で変換可能であった全く同じファイルを(

48KHz8Bitモノラル)をSDカードへコピーした。

 

まずどのようなWAVの周波数などに対応しているか確認するため、NCHのWAVファイルを変換してみた。

先程の写真のファイル名を見てもらうとわかるが、22050Hz、441000Hz、48000Hz、96000Hzで8ビット、16ビットの組み合わせであった。

 

いくつかの結果を写真も含めて掲載していく。

96000Hz、16ビットのwavはファイルサイズが181MByteある関係もあるのか、Mermoy Over Errorが出て変換出来なかった。

このため自分が通常保存している96KHz16ビットモノラルのWAVファイルは基本的にそのまま変換できない可能性が高いと考えられた。

#NCHは片面15分のテープでしかない。



そして、96000Hz8ビットとcmt8001では問題なく変換できた44100Hz8bitがいずれもInvalid formatとされ変換できなかった。

ちなみに一度変換ができないファイルとなってしまうと、文字が灰色になり、本体の電源を入れ直すなどしないと、選択することができなくなる。

それ以外のフォーマットは問題なく、同じCMTファイルが生成された。

確かに様々な周波数、ビット数に対応しているようだが、どうやら44100Hz以下の16ビットか8ビット以下のファイルが良いのではないかと考えられた。

 

次に変換に掛かった時間を見てみる。

22050Hz8ビットのもの、10分58秒(10秒じゃない)

 

44100Hz16ビットのもの。21分45秒。実機で読み込むより遅い

 

48000Hz16ビットのもの。23分41秒。当然遅い。因みに8ビットのものとは7秒程度しか変換時間に変わりがない。

 

はっきり言って、ものすごく遅い。

普通にCMTを読み込むよりも時間が掛かっている。ファイルサイズが小さい22050Hzなどのものは、変換時間も短く済んでいるようだがそれでも10分以上とcmt8001と比較した場合100倍以上時間がかかる。

 

次に多少変則的な多段ロードを行うテープはどうなるかやってみた。

結果はこの通り。

Hogehoge.wav.cmtとなっているファイルがCONVERTで変換したファイル。hogehoge.cmtがcmt8001で予め変換したファイル。

同じだったものはスーパーゴリラだけで、生成されたCMTファイルはローダーのみ変換されたものが殆どで、全く使えなかった。

 

またテープが劣化していてcmt8001では多少エラーが見られるテープをエラー補正しながら変換できないかやってみたが、こちらも全く変換出来なかった。変換精度が高いとは言い難いと感じた。

 

このようなことから、そもそも直接wavに録音することが出来ない環境で、更には変換時間、変換精度、対応フォーマットも少ないCONVERTを使う意味は全くないと言わざるを得ない。

 

結局は通常のPC環境下でWAVに録音、サンプリング周波数や量子化ビットを変換、さらにツールでCMT形式とした方が、対応フォーマット、変換時間、精度など、明らかに有利である。

 

GAMEPAD

これはUSB接続されたゲームパッドをキーボードに割り当てるものだ。

パッドなどを使う上で絶対に必要なのがUSBハブである。

キーボードとパッドなどであれば、一般的にはバスパワーのものでも大丈夫かもしれないが、本体への電源供給が心許ないのであれば、セルフパワーのハブを用意しよう。

自分はセルフパワーのものをラズパイでは使っている。ここへゲームパッドとキーボードを接続。

ゲームパッドはデジタル入力のものがあれば十分だろうと思ったが、ここで少しハマった。

デフォルトの設定で上下左右に割り当てられているX軸、Y軸がどうやらアナログのゲームパッドを想定して設定されている。


デジタル入力のゲームパッド(写真のようなサターンパッドなど)を使う場合、このX軸を0、Y軸を1に設定すると、上下左右の入力に割り振られた。

 

ボタンのアサインの変更だが、カーソルで変更したいパッドの方向もしくはボタンを選ぶ。



現在の設定されているキーボードのキーが選択された状態になるので、新しく割り当てたいキーまでカーソルで移動。

そこでEnterで割当を確定後、SAVE PARAMETERSを選んでEnterで確定すると反映される。

今回、アナログのパッドが時間的に用意できなかったので、X軸、Y軸をアナログに設定する方法は検証していない。これは各自試してほしい。

 

DISPLAY

これは表示を変更するモードである。

4つの表示モードがあり、それぞれは写真のようになる。

これがNORMAL

 

DOTbyDOT

 

ZOOM

そしてFULL

またカラーパレットを変更できるようになっており、ボーダーのカラーやそれぞれのカラーを変更可能だが、これは特に変更する必要はないかと思った。

 

と、現状でのPasocomMiniでのメニューを一通り紹介してみた。

んで、

Raspiなんだから、好きにさせてくれ!(ムリ)

 

ただのパソコンミニPC-8001としてだけ使うならこれでもいいが、使いやすくしたいとか折角だし色々やりたいとおもうでしょう?

#自分だけ?

といういわけで色々とイジってみようとしてみた。

結果から書くが、ぶっちゃけ色々とクラックすることになるので、オススメできない。そういうつもりでPascomMiniを使わないほうがいいのではないかと思う。

なので、簡単にできたところだけ紹介する。

 

PC-8001なんだからHDMIじゃなくでブラウン管だろ!という、自分みたいな人。

RaspiZeroには標準でビデオ出力が出ているので、これを使えるようにしてみる。

ラズパイの場合は/boot/config.txtで環境を設定する。BIOSというかデバイスの設定のような感じ。

/bootとなっていないが、FAT32のパーティション1の側が/bootとしてマウントされる。

この中のconfig.txtを編集する。

# uncomment if hdmi display is not detected and composite is being output
#hdmi_force_hotplug=1

のところを書いてあるとおりコメントアウトする。

 

次にsdtv_modeを日本のNTSC出力へ。

# uncomment for composite PAL
sdtv_mode=1

こんな感じ。

 

次に基板にRCA出力を取り付ける

PasocomMiniの筐体からラズパイを取り外し、基板だけにして、はんだ付け。当然、電源やSDカードは外しておく。

右上のTVと書いてあるスルーホールの所が、所謂ビデオ端子の出力だ。

 

この写真の向きで、上がGND、下が信号ね。

 

一応、保存協会へ贈答されたものなのだが、他のメンバーも使うので、ちょっと優しく改造w

 

さて、起動してみる。


ブラウン管で出力された。滲みもいいねw

画面サイズの調整など必要だが、使える感じ。

問題は収録ソフトやリファレンスなどの表示。はみ出てしまう。まあそうか。

 

もう一つ、致命的な問題。音声が出力されない。

RaspberryPi ZEROにはPWM出力を利用して、本体の音声出力が可能なのだが、これを設定するためには、一旦コンソールでログインする必要がある。

で、そのためにはユーザーアカウントのパスワードをクラックする必要があったりする。

さらに辺にいじると、PasocomMiniがクラックされたことを検知してしまい、数秒でシャットダウンしてしまう。

 

そんなわけで、本当は色々できるハズ(BluetoothのキーボードとかWifi接続とか、USBオーディオでの録音とか)のラズパイだが、普通にはそういう使い方ができない。Raspi-configを起動できると、SDカードの容量までパーティションを自動で拡張できるがそれも使用できない。

容量ももったいないし、残念である。

#実はかなり色々やったw

 

ここまで、全くPC-8001と関係ないことばかりしてきたので、そろそろ真面目に遊ぼう。

 

変換したソフトは大抵が良好にエミュレーションされた。しかしエミュレーションに問題があるソフトもあった。

内藤さんから分けてもらったNew CITY HEROがそれだ。

5面終了後のボーナスステージでフリーズする。


今後の参考のために、フリーズしたところを動画にしてみた。

 

#別な方のイメージでも確認済み。j80では同じイメージで問題ない。

まだ微妙に不完全なエミュレーションなのかもしれないが、完璧なエミュレーションというのは難しいだろう。発売後は多くのユーザーから色々なデバッグ情報が寄せられて、優れたエミュレータに改良されていくことを期待したい。

 

結局どうなのか?

最後に自分がどう思っているか、正直に書いてみようと思う。

まず今回PasocomMini PC-8001が世の中に登場できたことは、HAL研の取締役所長・三津原敏氏と、開発担当ディレクターの郡司照幸氏を中心とした非常に多くの方々の情熱によって成し遂げられたことだというのは、皆が感じているだろうと思う。

 

一方で世界にはPC-8001という機種だけを見ても、多くのエミュレータが有志の手によって作成、メンテナンスされながら現在も発展している。

それらエミュレータに携わる個人やチームの努力は計り知れないものにもかかわらず、殆どがボランティアベースで進んでいることは驚愕するばかりだ。

その様な努力にもかかわらず、エミュレーターを取り巻く問題がグレーとみなされることもあり、非常に悔しいと自分は考えている。

 

今回のPasocomMini PC-8001はこの点が大きく違う。

NECやマイクロソフト、当時の開発者、ゲーム制作者、メーカーなどがオフィシャルとして認めたエミュレーター、製品であるという点は非常に大きい。これを実現するための、労力と情熱こそ、本当に計り知れないものだと思う。

 

であるならば、今後はエミュレーターとしての再現性と使いやすさをユーザーとしては切望する。

PC-8001誕生から40周年であることの記念限定品、コレクターの興味をそそるものという点は、これ以上ない出来である。

しかし常用に耐えられるPC-8001のエミュレータとして見た場合は、世界に数多あるエミュレーターと比較した場合、現状では不完全と思わざるを得ない。

 

折角のRaspberryPi ZERO WHを使用しているにもかかわらず、WifiやBluetoothが接続できない。

それにより、CMTイメージやカセットテープからの録音にいちいちSDカードを取り出して、別なマシン上で操作し、戻さなくてはならない。

そしてその変換精度や変換速度も既存のエミュレーター用のツールには全く及ばなかった。

カセットテープもCMT形式だけというのがもったいないと思った。例えば起動方法や操作方法、スクリーンショットなど、収録されているゲームのランチャーのようなメモを自分で作成したり保存できるようにすることは出来ないだろうか?

 

画面のキャプチャーや動画での記録もエミュレーターなら可能なのではと思う。

エミュレータ上で実装が困難でもラズパイであれば、Linuxのコンソールから可能だ。しかし、プロテクトのためでもあると思うが、開放されていないので不可能である。

これまでに発表されている他のレビューを見てもわかるが、表示されたモニターを写真撮影して使っているものが殆どだ。

 

画面もHDMI対応は素晴らしいが、ブラウン管の様なエフェクトはなく、キレイなPC-8001の画面が表示されるだけだ。

ブラウン管での滲みも味があると思うのは自分だけだろうか。

 

他の周辺機器はどうだろう?フロッピーディスク、プリンター、ライトペンなどなど、未対応である。

キー入力もキーバインドの変更ができない。またADVを遊んだりする場合やプログラミングに、当時なら常識だったカナ入力が求められる。これをローマ字入力で対応するようにはできないだろうか。

 

更にオフィシャルであるならば、PC-8001や収録ゲームのマニュアルなどは揃えられないだろうか?実際にプログラミングする環境ではないのかもしれないが、クイックコマンドリファレンスでは全く足りない。PCG-8100のマニュアルやアプリケーション(PCGAIDなど)の提供はないのか?

OLION80などはマニュアルがないと、何をやっていいか全くわからないゲームと思われる。

 

エミュレータの再現性にも問題のあるソフトが見られた。販売方法に不満の声がある中、このままでは昨今のクラッシックミニという復刻商品郡で酷評される商品があったように、不満の声が高まる可能性があると思われる。HAL研からはアップデートを用意するというプレスリリースもあるので、このような不満に対して今後の対応を期待したい。

 

ここまでかなり辛辣なレビューを書いてしまったが、それを補って余りあるほど、マイクロソフトのN-BASICと16本もの当時のゲームが収録されたPC-8001が、発売から40周年という節目にPasocomMiniとしてオフィシャルリリースされたのは本当に素晴らしい。

このレビューを記載している9月初めの時点で、既にNECの「LAVIE Pro Mobile 500台限定 PC 40th Anniversary Edition Premium Packageobile」は在庫がなくなってしまっている。

それほど注目されるPasocomMini PC-8001。

 

今回レビューの機会を頂いて、本当に嬉しかった。
ウルサイ人なりに、きちんとしたレビューをしたかったので、この様な内容になってしまった。
ここまで読んでくださってありがとうございます。

次のメンバーのレビューへ続きます。

 

ゲーム保存協会 副理事長
福田 卓也

【PasocomMini PC-8001使用レビュー】ウルサイ人が使うとどうなっちゃうのか!?(前編)

前回のレビューでは、自称初心者による初心者のためのレビューだった。

いくつも躓くところがあり貴重なレビューだったが、ではウルサイ人がこういうものを手に入れてしまうと何を始めるのか?というレビューが第二弾。

最後まで読んでもらえると嬉しいのだが、置いてけぼりにする可能性のあるレビューとなってしまった。

早速開始。

当たり前だけどバックアップをとろう!

というわけで、まずはSDカードのバックアップをとろう。

以前に発売された「PasocomMini MZ-80C」でもそうであったが、今回もRaspberryPiにそれぞれ固有のSDカードでしか起動しないようにプロテクトされているはず。

もともとRaspberryPi Zeroは初代とHWと2台所有しているので、試しに所有してるもので起動してみた。

所有している方は試してみてもらうとわかるが、PC-8001の画面が表示された後、数秒後に自動でシャットダウンしてしまう。プロテクトされているようだ。

#ホントはもっといろいろ調べたけど、言わないw

このSDカードが壊れてしまったり、設定を変更して元に戻せなくなってしまうと面倒。

ましてやLinux環境下でのエミュレータ動作である。突然の電源断でファイルシステムが壊れる可能性は高い。

そんなわけでバックアップだが、HAL研からは正式なバックアップ用のアプリケーションはこのレビュー執筆時点ではリリースされていない。

マニュアルなどにも、リリース後はSDカードが壊れたときの為に修復できるようなイメージの配布やアップデートも行うと書いてあるのが、現時点では不明である。

また2017年に発売されたPasocomMini MZ-80Cのときもバックアップツールの公開までは発売から2ヶ月程後であった。

そんなわけでツールが用意されていない段階でも自分でバックアップを取ることにする。

パソコンミニに添付されているマイクロSDカードは肉眼的にはApacer製の16GB、SDHC Class 10 USH-Iのものだ。

バックアップには、これと同等かそれ以上のものを用意しよう。

自分はこれを用意。Gigastone製の16GByte マイクロSDカードだ。近所のヨドバシカメラで2000円弱だった。

まず試しにPasocomMini MZ-80C用として配布されているバックアップツールを使ってみようとした。

しかし今回のSDカードはパーティションが切られており、2ドライブあるように認識されるため、この方法でのバックアップはできないようだ。

ということで、自分は素直にLinux環境を使う。日頃から自宅の環境もすべてLinuxなので、あまりどうということは無いが普通ではないのかもしれない。

簡単に言えばSDカードをマウントしてddすればいいだけ。

#Macは持ってないので知らない。

#WindowsでもDD for Windowsなどで出来るかもしれないが、やってない。ヒトバシラー求む

#この段階で誰も付いてこない気がしてきたw

自分の環境では/dev/sddにマウントされた。

折角なので、色々と見てみる。Windowsの環境ではLinuxパーティションの中などを簡単には見れないので。

 

root # fdisk -l
ディスク /dev/sdd: 14.4 GiB, 15489564672 バイト, 30253056 セクタ
ディスク型式: SD/MMC

単位: セクタ (1 * 512 = 512 バイト)

セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 512 バイト

I/O サイズ (最小 / 推奨): 512 バイト / 512 バイト

ディスクラベルのタイプ: dos

ディスク識別子: 0x50f09dfd

デバイス   起動 開始位置 終了位置  セクタ サイズ Id タイプ

/dev/sdd1           2048  8390655 8388608     4G  b W95 FAT32

/dev/sdd2        8390656 12584959 4194304     2G 83 Linux

 

14.4GibのSDカードにパーティション1は4GのFAT32、パーティション2は2GのLinuxファイルシステムがあるという構成だった。

16GBのSDカードなのに、何というもったいない使い方!

ラズパイの場合、起動後にRaspi-Configなどから使用しているSDカードのサイズに自動でパーティションを拡張するということができるのだが、無理だった。

 

とりあえず、バックアップ。

root # dd if=/dev/sdd of=./mini80.img bs=1M

14772+0 レコード入力

14772+0 レコード出力

15489564672 bytes (15 GB, 14 GiB) copied, 805.908 s, 19.2 MB/s

などとして、SDカード全体のイメージを作成しよう。

イメージを作成したら、SDカードをunmountし、バックアップをおこなうSDカードを挿入。

これを同じようにLinuxで認識。後はddコマンドのifとofを反対にするだけ。

root # dd if=./mini80.img of=/dev/sdd bs=1M
14772+0 レコード入力14772+0 レコード出力15489564672 bytes (15 GB, 14 GiB) copied, 2026.96 s, 7.6 MB/s

これでバックアップは完了だ。

早速このSDで起動してみよう。

うん、問題ない。

では、好きなだけイジろう!!

 

まずは普通に使う

まずは普通に使ってみることにした。

キーボードはUSB接続で使用することになっている。当時のゲームを楽しむならテンキーがあるものを用意したほうがいいだろう。

自分はキーボードにテンキーが無い人だったので、急遽キーボードを購入。

これ。780円だった。

もともとRaspiZeroを使っていたので、USBの変換やHDMIの変換は所有している。

この辺、どれを用意したらいいかは、前回のレビューを参考に。
USBは1つは電源、もう一つはUSBのキーボードなどデバイスを接続する形になる。このときキーボード+ゲームパッドなどで使いたい場合はハブを用意する必要があるのだが、ラズパイの電源は弱いので、ハブはセルフパワーのものを用意しよう。

本体に添付されたマニュアルはかなり簡略化されており、実際に使用しないとわからないことが多かったので、そのような操作を中心にレビューすることにした。

パソコンミニのサイトで詳細なマニュアルを公開すると記載があるが、レビュー時点では何も公開されていなかった。

とりあえず、色々なメニューを確認しつつ、その操作や機能を評価してみたい。

ファンクションキーのF7~12にエミュレーションの設定やBASICのリファレンス、16本のゲーム起動などのメニューが用意されているのは、既にいくつものレビューで記載されている通りだ。

F7、F8キーはいずれもこれらのメニューでの左右やページ送りに対応している。

F9でエミュレーションの設定が可能だが、これは後回しにして、他のキーから。

最初に注意だが、これらのメニューを表示しているときは、他のメニュー表示は抑制される。

つまりF11などでクイックリファレンスを表示中は、F9やF12などは抑制され、一旦F11でクイックリファレンスをクローズしてからしか別のメニューを表示できない。そういう仕様のようだ。

F10は前回のレビューでも書かれていたが、エミュレーションを終了しラズパイをシャットダウンするためのメニューだ。

長押しすると、シャットダウンするかどうかのダイアログが表示される。ここはキーボードの矢印で選択することになる。

当然キャンセルすれば、もとのエミュレーション状態に戻る。

レビューでも指摘されていたがPC-8001のエミュレーション画面が表示されているとき以外は操作できない。別なメニューを表示しているとか、ゲームを選択する画面であるとかの場合は無効なため、戸惑うかもしれない。

F11はPC-8001のエミュレーション中にオーバーレイする形で表示されるクイックコマンドリファレンスである。


F7、F8でページ送りができる。一般的なベーシックコマンドやキャラクター表が表示されるが、あくまでクイックリファレンスであるということ。

当然、動作の詳細に関しては記載はなく、(例えばWIDTHコマンドでDMA動作が再開するなど)当時の資料がないとわからない。

またオーバーレイというのも問題で、写真のようにPC-8001の画面右側が半分程度隠れてしまう。

半透明などではないので、完全に見えなくなるのが、ちょっと使いにくい。

もう一度F11を押すと、オーバーレイが消えるようになっている

F12は収録されているゲームを起動するためのメニューだ。

 




メニューからもう一度F12を押すとPC-8001のエミュレーション画面に戻る。

ゲーム毎の簡単な操作方法の説明などが記載されている。

起動するとロード画面などなく、いきなりゲームが起動している状態にエミュレーションが変わる。要するにステートセーブした状態に復帰する感じだ。

注意する点としては、それまでの状態は完全に入れ替わってしまい復帰させることが出来ない。プログラム入力中にちょっと遊んで、元に戻りたいなど思った場合は、プログラムを保存するか、その状態をステートセーブしておいてから起動しよう。

そして前後したがF9でのメニュー説明である。

ここにはエミュレーターの設定を行うなどいくつかのタブで区切られたメニューが存在する。それぞれのタブではカーソルの上下、左右などで設定し、SAVE PARAMETERSで設定が反映される。

このメニューを起動するとエミュレーションは一時停止状態になる。STATE SAVEなどが行えるが、それはメニューを開いた直前状態でセーブされるということだ。

タブメニューを順番にみていくことにする。

MACHINE、PCG8100、MEDIA、STATE、CONVERT、GAMEPAD、DISPLAYのメニューが存在する。

 

MACHINE

PC-8001本体のエミュレーションに対して、JPもしくはUSキーボードの配列切換やNUMLOCKのオンオフ、BEEP音の音量が変更できる。

で、このキーボードだが、今回用意した780円のJP配列キーボードで一体どれがどのキーなのか、キーバインドがわからずに困った。

具体的には、PC-8001のCTRL、カナ、GRAPHICなどである。


結論から書くと、CTRLはCaps Lock、カナは左Ctrl、GRAPHICは左Alt,

ESCはTab、HOME CLRが半角/全角、STOPがEsc、DEL/INSがBackSpaceであった。

またテンキーも、当たり前だが現代のキーボードとは配列が異なっている。
テンキーはソフトによっては、コンマやドットを使うものもあり、キーバーインドをどこかで確認、もしくは設定できるようにならないと使いにくいことが予想される。

#もしくはPC-8001キーボードと同じ配列のUSBキーボードを販売とか?

VOLUMEというのはBEEP音のボリュームである。

音声についてだが、デフォルトではHDMIからの出力しかない。

#デフォルトでは!?

つまりHDMIから音声出力がないモニターなどでは、BEEP音、PCG8100とも鳴らない。

RESETであるが、このメニューの状態でキーボードのSHIFT+RETURNでエミュレーターがリセットされる。押した瞬間にリセットされ、PC-8001の起動画面に戻されることになる。

詳しく調べていないが、どうもコールドリセットされてしまうようだ。

ホットリセットが出来ないのは痛い。

#著作権の問題かもしれないが。

 

PCG8100

ここではPCG8100の設定ができる。PCG8100を動作させるかどうか。

PCG8100を前提としないゲームなどでカナ文字を表示させるようなゲームの場合は、オフにして使用しよう。脱出・死の青木ヶ原や、京都ミステリーツアーなどがそれだ!!

動作同様にPCG8100をオン、オフでき、キャラクターグラフィックを戻したり出来る。

PCGを使用しているゲーム中に、オフとすると、PCGがオフの状態でのキャラクターグラフィックによるゲーム画面となる。

ジャンパーはオンにすると、ソフトウェア上でPCGの使用、不使用を選択できるようにするものだ。PCGを通常使用するならオンで良いだろう。

VOLUMEはPCG8100に搭載されているCTC8253による音声のボリュームである。
先程も書いたがHDMIからしか音声が出ていないので注意

MACHINEと同様にここにもRESETがあるが、このリセットはPCG8100をリセットするもので、PC-8001のエミュレーションをリセットするものではない。

 

MEDIA

ここではCMTイメージを管理できる。

CMTイメージはパーティション1の方、FAT32のWindowsでもそのままマウントできるパーティションの中にあるPCMというディレクトリの中にあるものが表示される。

しかし注意点があり、ファイル名が2バイトコードのファイルは表示されない。つまりファイル名に日本語が使えない、さらに()など記号が使えない。

サブディレクトリは使えた。

既存のCMTイメージをセットした状態としてエミュレートするだけではなく、CREATEでは空のCMTイメージを作成し、そちらへエミュレータ上で作成したBASICやマシン語のプログラムを保存できる。またCREATEではサブディレクトリの作成も可能だった。

それぞれのメニューは見てもらえばわかると思う。消去や移動や名前の変更などが可能だ。

ATTRIBは属性変更で、そのCMTイメージに書き込みを行う場合、上書きをするのか、追記するのか、書き込み禁止にするのかを設定できる。

またF12から使用できる16本の収録されたゲームを起動すると、MACHINEからエミュレータをリセットしない限り、このMEDIAはタブとして消去される。

恐らく著作権の問題で、CMTとして保存することを避けるためだろう。

 

STATE

現在のエミュレータの状態を保存、再開できる。(所謂どこでもセーブ)

こちらはF12で起動したゲームの状態も保存可能。



メニューからはサブフォルダの作成やATTRIBによる上書き保存の禁止などを変更したりが可能。

ちょっと注意なのだが、CREATEを行ってもファイルが作成されるだけで、セーブされているわけではないということ。

ファイルを作成し、SAVEを選んで初めてステートセーブされる。

#うっかりセーブされたと思って消えてしまった。

セーブではF9を押して展開されるメニューの直前状態が記録され、ロードした場合はメニューを閉じた直後にその状態で再開される。

#なので「このステートセーブ、どんな状態だっけ?」ということを確認する方法がない。

メニュー以外にエミュレータが一時停止するような方法があると楽だと思った。

さて、思いの他レビューが長丁場になりそうなので、後編へ記事を繋ぎたいと思う。

次回はいよいよ、CMTイメージをCMT形式に変換する「CONVERT」からだ。

内藤時浩さんのあの新作ソフトの動作確認レビューもしてみたので、乞うご期待!

 

ゲーム保存協会 副理事長
福田 卓也

【PasocomMini PC-8001使用レビュー】素人でもきちんと動かせるか!?(超スーパーウルトラ入門編)

ゲーム保存協会は、先日「NECパーソナルコンピューター PC-8001誕生40周年記念記者会見」に出席し、メディアレビュー用の試作機としてPasocomMini PC-8001を贈呈いただいた。

>レポートはこちら

 

素晴らしい機会をいただいたので、正会員メンバー数人によるレビューを何回かに分けてご紹介したいと思う。
この記事は、予備知識ゼロ、普段は仕事でWindowsパソコン使う程度、パソコンマニアの人から見たら怒られそうな一般人がPasocomMiniで遊べるものか、果敢に挑んだ、ひとつの格闘の記録である。

 

PasocomMiniって何ができるの?

PasocomMini。
それは単純にミニチュアだけではなく、当時のパソコンの機能がエミュレーションで動くらしい。私が知っているのは、その程度の理解力だ。
このちっこいサイズがどうやって動くの?何に使えるの?と全くイメージができなかった。
会見当日、聞いた話だとこんなことができるらしい。

 

・流行りのファミコンミニなどの類と同様、往年のゲームがプリセットで遊べる
・当時のPC-8001と同様にプログラミングができる
・当時のPC-8001オリジナルのプログラムデータを持っている人は、PasocomMiniでも動かせる

 

初心者の自分としては、まず起動して、ゲームを遊ぶことが第一目標。
まずは始めないことにはわからない!まず開封してみることにした。

PasocomMiniの中身をカパッと開けてみたところ…基盤にしか見えない。
8001ミニチュア部分の蓋は、マグネット方式になっている。

PasocomMiniはどうも「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」(以降ラズパイ)というものからできている、らしい。スイーツな名前にしか聞こえないが、ラズバイとは、伝え聞くところによると、どうも小さいパソコンのこと。この基盤が、そうらしい。
Pasocom mini PC-8001は小さいので、物理的にいわゆる8001のミニチュアに格納できるようにするため、ラズパイの中でも小さい「Zero WH」というタイプを使ったそうだ。

 

最初の難関!?ケーブルはどうする?

まずは、どうやって動かすの?ってところから始まる。
一般的なパソコンのカタチしかわからない人にとって、扱いが方がイメージできない。しげしげと眺めても、どうやって電源入れて、キーボード入力して、動かせるのか、まったく想像がつかない (笑)。まるで初めてスマホに触るご老人の気分だ。
皆目見当もつかない筆者は、渋々と(?)同梱の小さいマニュアルを読むことにした。

PasocomMiniの背面に端子が3つ。内訳は、ミニHDMIとmicro USBが2つらしい。

 

マニュアルをしげしげと読むこと5分。必要なケーブル情報は以下の通り。

マニュアル接続説明

マニュアル接続説明

1 .モニター用(ミニHDMI端子)

筆者が所持している当然HDMI端子であり、ミニHDMIなるケーブルはない。手持ちのHDMIを使う場合、HDMI⇔ミニHDMIで繋げるケーブルが必要ということだ。
今回、片側のHDMI端子をミニHDMIへ変換する、変換アダプタを購入することにした。

2 .キーボード用(microUSB端子TypeB・その1)

所持している無線キーボード用に使用。そのために、USBレシーバーを使いたいが、どっこいレシーバー差込口はmicro USBではない。どうすりゃいいんじゃい。
調べたところ、microUSB端子をUSBが差せるよう、変換アダプタがあればいいらしいが、あいにくこちらも持ち合わせはない…これも購入リストへゴー。

3 .電源用(microUSB端子 TypeB・その2)

これは、PasocomMiniの本体の電源供給のために必要。
micro USBケーブル ACアダプターを使用するが、数年前のAndroidスマホユーザーなら、持っている人も多いと思われる。これはすぐにわかった!筆者はPS Vitaのmicro USBケーブルを使用した。

正直、1と2はどうったアイテムを用意したらいいのかわからず、混乱した。
持ち合わせのアイテムを見て、「変換アダプタがあればいい」と知見者からアドバイスをいただいいてなければ、もう少し手間取っていただろう。

 

気づくのが遅くなったが、PasocomMiniを開封したがいいが、動かすためのアイテムが不足していることが判明(遅い)。
こうしてはいられない、ジリジリ太陽が照り付ける真夏の日差しの下、近所の某電気屋へレッツゴーだ。

 

だが、電気屋に着くと、今度は売り場のどこに目的の商品があるのか、わからない。
店員さんに、予めマニュアルを撮影した写真を見せて、ようやく該当ケーブルの売場に案内いただいた。
ありがとう店員さん。電気屋さんでどの電球買ったらいいかわからず、実物を持ってきて店員さんに対応する電球を購入するおばあちゃんの気分でしたよ。
ちなみに、USB-microUSB変換アダプタはモバイル売場、HDMI-ミニHDMI変換アダプタはTV売り場エリアで見つけたゾ!

 

そして、帰宅。長い道のりであったが、ついに接続へ…!
今回のために用意したアイテムはこちら。

1 . 左下:ディスプレイ用 HDMI⇒ミニHDMI変換アダプタ
2 . 右下:キーボード用 USB-microUSB変換ケーブル
3 . 上:電源用 MicroUSBケーブル+ACアダプタ(持ち合わせのもの)

NECダイレクトのプレミアムパッケージで買うと、今回必要なケーブルとキーボードが付いてくるらしい。PasocomMiniはじめてセット、いわばスターターキットとして使えるってことか。

 

ここで、マニュアルについて要望を2点ほど。
1つめは、必要なケーブルと繋ぎ先がわかる、接続図が欲しい。よくAVレコーダーのマニュアルにテレビとレコーダー本体のケーブル接続図ついてるじゃないですか、あんな感じで。直感的に、一発でコレ!って知りたいのだ。必要なケーブルの型番のみ記載し、ケーブルのイラストがあると嬉しい。

2つめは、pdfマニュアルデータが欲しい。同梱のmicro SDカードに入っていたら良いな。
いやね、コアユーザー層が40代以上のアダルトなお年頃だとしたら、この小さい文字…辛くないかな?視力…つまり、ろうが(以下略)。無粋な話かもしれないが、ちょっと心配。

使う人がわからず挫折したら、とっても残念なので、もっとユーザーフレンドリーになって、使える人が増えたらいいな。

 

準備は出来た、いよいよ接続…できるの?

お待たせしました、いよいよ接続!

まずは同梱のmicroSDカードを装着する。
当初、この基盤、手で触ってもいいのか、電気でビリっとやられないかオドオドしたが、…そんなことはなかったようだ。

実は同梱のmicroSDカード、最初は何に使うのか、イマイチわからなかった。何かのセーブをするために使うのかな?と想像していた(マニュアルを必要な時しか読まないタイプです)。
マニュアルを読むと、どうやらこのmicroSDカードにパソコンPC-8001を動かすソフト一式が入っていたらしい!なんということだ。てっきり、このラズパイっていう基盤にプログラムのチップでも組み込まれているのかと思ってた。我ながら無知とは恐ろしい。このちっちゃなmicroSDカードに地と涙の結晶、技術が結集しているとは、凄い時代になったものだ。

間違ってデータ壊したらどうしようと震えたものの、PasocomMini公式サイトでどうやらバックアップ・リストアツールがあるらしく、安心。…いちいち小心者である。

 

ではいよいよ、ケーブル接続だ。で、ここで1つ疑問が。電源スイッチないんだけれど、どうするんだろうと。またもやマニュアルを読む(こればっかり)。
ふむふむ、ケーブルを差せばすぐに起動するらしい。え、そうなの、電源ボタンなくていいの、本当にそんなんでいいの?
どうもこの電源ケーブルは最後に差すらしい。…手順を間違ったらと思うと怖い。

手順がわかって、まずは手前の黒いケーブルのHDMIを変換アダプタで装着。
次に白いケーブルのmicroUSBで無線キーボードのレシーバーを装着!

そして最後は、電源ケーブル。これを差すだけでホンマかいな…ブルブル…
左下の白いスイッチボタンで電源入ってくれませんかね(無理)。

意を決してmicroUSBケーブルを差し込み、いざ行かん!
ハル研のコピーライト画面が出た後…

 

うおおおおおーー!!
無事に画面が出ました、PC-8001のBASIC画面が!!やりましたよ!
最後に愛は勝つ(by KAN)。

PasocomMiniのレビューをいくつか見たけど、皆さん普通に使っていた…のは、知識の歴然とした差だろうか(苦笑)。

 

自分は手間取ったので、備忘録を兼ね、PasocomMini PC-8001全体構成の図解が欲しくなって、簡単にまとめてみた。
初めての人が、一人でもPasocomMiniが使えるように、起動できるといいのだが、参考になるかな?

 

これも知っている方から聞きましたが、どうもこのラスパイのOSはLinuxってやつらしい。Linuxは、教えてもらったけど、自分が全く使ってないからきちんと頭に入ってない。いつかわかるようになるかな?

 

起動したら、何はともあれゲームをプレイだよっと

さて、いよいよ起動したら、まずはゲーム!
BASIC画面が表示されているが、以下のキーを押すことで各画面へ移動できる。

F12 ゲーム選択画面へ
F9 マイコンミニPC-8001セッティング画面へ

PC-8001マイコンミニは全16種類のゲームがプリセットされているものの、全てレビューすると、かなりの長文になるので、今回はいくつかピックアップ。
主観的ではあるが、初プレイでもわかりやすいと感じたゲームは、勝手に初心者向け★レビューをしてみた。星の数が多いほど、すんなり遊べたゲームである。その他、いくつか操作方法がわからなかったものがあったので、簡単に補足した。

【平安京エイリアン】初心者向け:★★★

私は初めてやったのですが、穴掘りと穴埋めのタイミングがなかなか難しい~。
しかも4段階くらいで完全に穴、そして埋めるという形なので、途中経過で放置する場合の使いどころもありそう。敵の足止めかな?

 

【モールアタック】初心者向け:★★★★★

いわゆるモグラタタキ。これは小さい子供でも楽しめるでしょ!
画面もカラフルでかわいらしい。起動画面でゲームルールをよく見ると、マイナス点をつけられるヤツがいるらしい。単純なモグラタタキとマイナス点、そしてスコアが上がるとスピード+数が増えることで、子供はもちろん、友達とのスコア対抗にも良さそうなゲームだった。

 

【LUNAR CITY SOS!!】初心者向け:★★★★

月面基地を守るゲームで、シューティングっぽいゲーム。一番ハマった(笑)。
最初、敵は空母艦のような形態で、攻撃が当たると、敵がアメーバーのごとく、分裂。第二形態、第三形態と変化し、最後は小さいすばしっこいヤツに。これを撃退すると消滅。お掃除ゲームのようだ (笑)。
躓いたのは、起死回生のバリアーを張る「GRAF」キーが、今のキーボードだと、どれか見つからなかったこと。プレイ中に色々キーを試してみて、20分後くらいに、「Alt」をキーだったことが判明。ゲーム選択+簡易マニュアル画面のどこかに補足して欲しいところ。

 

【SPACE MOUSE】初心者向け:★★★★★

どこかで見たゲーム…と思ったら、その昔、PC-8801「ジーザス」(ENIX)の序盤で、このゲームをプレイしていた。芸夢狂人さんの作品で、敵を避けつつ、パワーボーナスを取りながら、ひたすら屋上を目指し250階を上るというルール。わかりやすく、今回入っているゲームの中でも、もっともシンプルなゲームという印象。スコアは、115階までしか行けませんでした。

 

【走れ!スカイライン】初心者向け:★★★

なんと、このために日産自動車に許諾まで取ってしまったという、色々な意味で凄いゲーム。いわゆる疑似的3Dを表現したレースゲームで、こちらもキー操作で少し悩む。
「Shift」+「カナ」で何かをロックするらしいが、まず何をロックするのかがわからない。速度をロックするのかな?でもShiftキーを離すと速度固定になるし、今のキー配列だと「Shift」「カナ」は遠いしで、結局使いどころがわからなかった。

 

【オリオン80】初心者向け:★

最初のゲーム選択画面に、操作方法・ルールが書いてあるが、このゲームはとにかく説明・キー操作が多い。10回くらい反芻して読んだが、どうプレイするのかが結局わからず。マニュアルを横に置いてプレイしないと、これは厳しそう。
う~ん、これはどう考えても硬派な紳士向けゲームに違いない。

どうも聞いた話によると、マニュアルがしっかりとしたゲームで、それありきのゲームだから難しいとのこと。なるほど、材料が少なすぎてわからないわけか。誰かに指南してもらうか、マニュアルを入手したいものである。

 

ゲーム操作で、まさかの落とし穴!?

ゲーム全体の操作で、細かいところで気になったことが2点あった。
1つは、ゲーム選択画面で「ゲームを起動しますか?」確認ウィンドウが出てくるんだけど、何故デフォルトが「いいえ」になっている。できれば「はい」で1ボタン1プッシュで進めたいなぁ。違うキーをいくつか押してといけないのが、なんとなく進めにくい印象があった。

 

あともう1つ、ここで間抜けなハマリを体験した。マニュアルを読んでも、ゲーム終了=PasocomMiniの終了方法。つまりエミュレーターのリセット方法がわからなかったのだ。

 

ゲームを遊んで、PasocomMiniを終了する手順としては、以下の通り。

・F9キーを押してセッティング画面へ行き、リセット

・BASIC画面表示中に、F10キー長押しでPasocomMiniを終了

だが、F9キーを押してもまったく無反応。なんで!?と半泣きになり、30分ほどハマリ状態になったが、ようやく判明。

どうやら「ゲーム選択画面」ではF9キーを押すと無反応だが、「ゲームプレイ中にF9キーを押す」必要があったらしい。ようやくセッティング画面へ移動、F10キーで無事にBASIC起動画面が表示され、終了できた。
こんな落とし穴にハマるのは筆者だけかもしれないが、間違ってもケーブルを抜いて電源を落とさないように注意だ!

 

ゲームを終了し、ゲーム選択画面で「F9」キーを押しても無反応。 左下にあるF12キーは前の画面に戻るが、ひとつ前のゲームプレイ画面に戻ってしまったので、出口がないハマリ状態に陥った

 

ゲームプレイ中の画面で「F9」キーを押すとセッティング画面へ移動できた。
F7/8で「MACHINE」を選択、「Shift」+「Return」でエミュレーターがリセットされ、ようやく起動時のBASIC画面へ移動することができた。その後はF10キー長押しで終了できる

 

そうそう、ゲームとは関係ないところで、私が知らないだけだと思うのですが…
画面スクリーンショットの保存方法が知りたい (笑)。

 

ゲームのもう一歩先へ

今回のPasocomMiniは、マイクロソフト社のN-BASICを搭載しているのがウリなので、BASICを打ち込んだり、PC-8001プログラムデータをPasocomMiniに移すなど考えたが、現時点ではまだ、理解しきれていないので、他のメンバーへ、バドンタッチしようと思う。

自分が最も気になっていたのは、PC-8001ソフトをPasocomMiniで動かるかどうかってこと。皆さん、当時のソフト、パソコン本体の保全には苦労していると思う。自分がリタイヤした時に、遊べる環境があった方が絶対いいよね。
これも人づてから聞いた話だと回答としては、これは可能。ソフト録音データをWAVデータにしちゃえばオッケー、それをPasocomMiniのSDカードに入れて、セッティング画面でCMTファイルで実行するらしい。

後日1人でやったらうまくできなかったので、何度かトライが必要かも。PasocomMiniがもし将来、単体でも販売されるようなことがあれば、入手して動かしてみたい。

今回はこのようなお察しレベルの、BASICを打ち込んだ。こんにちはマイコンのような教本が必要だ


まとめ―
―結局のところ、初心者は使えるか?

ミニコンの仕組み、PC-8001、BASIC言語に親しんでいる人なら、おそらくPasocomMiniは簡単に遊べるモノであることは間違いないのだろうな、と感じた。ただ、もしスマホも満足に使えないような、例えば自分の親なら100%無理だなと思ったのも事実。まず動かすことに慣れることが必要だ。

 

自分はトンデモないところで躓いたので、同好の士と一緒に動かして遊ぶか、『PasocomMiniマニュアル教本』 のようなリファレンスブックがあれば、安心だと思う。
ただ、現在のネット社会なら、ユーザーが増えれば、みんなでwikiのような形で、情報を持ち寄り、共有していくのが良さそうだ。できることが増えると、人は楽しくなり、それを伝えたくなる。ユーザーの裾野も広がり、文化を継承する力も大きくなる可能性が出るのでは?そんな未来に期待したい。

 

最後に。
この記事を書く前、「こんな初心者レビュー、ゲーム保存協会の記事に詳しくないのでは」と躊躇したが、「絶対に初心者向けのレビューは必要」と強く推薦した、理事メンバーに感謝いたします。勇気を振り絞って筆をとることができました(笑)。
またPasocomMiniに興味があるけど、ハードル高そうで不安という方がいらっしゃいましたら、この記事を笑読いただき、手を取るきっかけの一助となれば嬉しく思います。

最後まで読んでくださった方、お付き合いいただき、ありがとうございました!

 

ゲーム保存協会 おれふつう河本