NPO法人ゲーム保存協会は、今年も皆様のおかげで無事に新しい年を迎えることができました。
NPO法人発足からいよいよ6年。ゲームを文化としてアーカイブし、未来に遺すという困難なプロジェクトに取り組んで参りましたが、昨年は私たちの真摯な取り組みにメディアからの注目も集まり、たくさんの方から活動へのご支援ご助力を賜りました。
本当にどうもありがとうございます。
今年は、80年代PCゲームを中心とした私たちのアーカイブを皆様に公開できるよう準備を整えてまいりたいと思っております。
膨大な資料を整理し、皆様にとって使いやすいインターフェースをご用意、さらに今後の資料管理や保存品質の維持に勤める非常に困難な作業が続くことが予想されますが、古いゲーム作品を単なるノスタルジーとしてではなく、真剣な研究対象、ゲーム史学を創始するために必要な重要な一次資料として皆様と共有することは、私たちの使命だと思っております。
「ゲームを文化として未来に残す」という私たちの夢は、皆さんの協力があればこそ実現するものと信じております。まずは目の前の課題にひとつひとつ着実に取り組んでいきましょう。
すでにサポーターとして私たちの取り組みに参加いただいている皆様には、今後ともゲームやその歴史、文化の保存のために何が出来るのか、引き続き一緒に考えていただければ幸いです。情報の拡散、共有にもご協力いただける方がいらっしゃいましたら、ぜひよろしくお願い致します。
ゲーム保存協会の取り組みは、他でもないサポーターの皆様ひとりひとりのご助力によって作られていきます。
皆様からのご支援が、資料を守る為の資材やアーカイブ管理に必要な事務用品を支える他、国や自治体との交渉に必要な資料の準備や、より大きなゲーム・アーカイブ・プロジェクト立ち上げのための費用として活用されます。
私たちの取り組みにご賛同いただける方は、ぜひ活動へのご支援ご参加をお願いいたします。
https://www.gamepres.org/support/
NPO法人ゲーム保存協会の取り組みにつきましては、昨年公開された30分間程のドキュメンタリー映像で一部ご確認いただけます。当協会が日本語字幕版を作成いたしました。
ゲーム保存協会が日ごろどのようにゲームを扱っているのか、実際の作業の様子やアーカイブ室の内部を映像でご確認いただけますので、お時間がございましたら是非ご覧下さい。
https://www.gamepres.org/media/
どうか皆さん、今年もよろしくお願いします。
新しい年が更に良い年になるよう祈念致しまして、私の新年の挨拶とさせていただきます。
NPO法人ゲーム保存協会
理事長
ルドン ジョゼフ
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NHKワールドでゲーム保存協会についての30分ドキュメンタリーが放映されました
2017年11月28日、春からの長期取材を経て、ついにゲーム保存協会の活動を紹介するNHKワールドによるドキュメンタリー番組が完成、放映されました。
Inside Lens, Game Preservation – The Quest –
https://www.gamepres.org/media/
日本が世界に誇る一大コンテンツでもあるゲーム。社会現象を巻き起こしたインベーダーゲームから、世界的なヒットアイコンになったスーパーマリオまで、ゲームは日本のポップカルチャーの大事な一要素です。このドキュメンタリーでは、こうした日本の黄金期のゲーム作品とその歴史を保存し残そうとしている当協会の活動が丁寧に紹介されています。
あまり知られていませんが、今のゲーム文化の礎ともなった70年代、80年代の古いゲームは現在、劣化の危機に直面しています。資料の散逸も進み、何もしなければあと数年後にはゲーム黄金期を支えた古いアーケードやPCゲームは壊れて動かなくなり、二度と再現できなくなってしまいます。こうした状況に立ち向かうために作られたのが、ゲーム保存協会です。
ドキュメンタリーでは普段はあまり表に出ない協会のメインメンバーたちも紹介され、失われつつある古いゲーム文化とその資料をどうやって残しているのか、修復やアーカイブの作業風景などを見ていただけます。
ドキュメンタリーの中で高井商会の高井さんが語る通り、ゲームの保存にはお金がかかります。本来であれば国などが博物館として資料を守っていかねばならないところですが、そもそも「国」を作っているのは私たち一人ひとりの国民。
このままでは、浮世絵のように資料が散逸し、日本の文化財がこの国からなくなってしまいます。ドキュメンタリー最後に理事長のルドンは次のように語っています。
“ 日本には日本人にしかない感性があります。日本のゲームには日本人にしか作れないような作品があるんです。こうした独自の歴史から再び学び、新しいものを作っていくことはとても大切で、だからこそここ日本での活動に意義があるのです。”
ゲーム保存協会の活動は、はじまったばかりです。日本だからこそ作れた作品をどこまで残せるかは、これからの活動展開にかかっています。そして歴史的ゲームへの再評価が国をも動かす文化的ムーブメントになるかどうかは、実はこの国に暮らす私たち一人ひとりの国民の力にかかっています。
現在、政府ではクール・ジャパン戦略の一つとしてゲームなどサブカルチャーに関する様々な取り組みをはじめていますが、漫画やアニメなどの表現形態にくらべると、ゲームに対する対応は後手に回っているのが現状です。資料の劣化や散逸状態がひどいゲームを考えると、今のままでは文化保護は確実に手遅れとなってしまいます。
ゲーム保存協会はNPOです。市民が、市民とその未来のために積極的に動くことで成り立っています。私たちはこれからも活動を続けますし、国とも積極的にやり取りを続けます。資料の危機的状況を正確に伝え、博物館やアーカイブ、図書館といった資料を永続的に守れる公的な枠組みを得られるよう真摯に取り組んで参りますので、ぜひ皆様お一人お一人の力を貸していただきたいのです。
活動への協力の仕方は様々です。
ゲーム保存協会の取り組みを周囲に拡散いただくことも一つですし、ゲームの歴史や文化に対する関心を他の方々と共有いただくことも一つかと思います。でも、私たちがいま一番必要としているのは、実は、保存活動を支える資金です。
ドキュメンタリーでも映っていた通り、ゲーム保存協会が保管する資料は劣化を避けるための特殊な容器に一つずつ丁寧に収納されています。紙媒体、磁気媒体など媒体ごとに分け、最大限劣化の原因となるガス等の排出を抑える工夫をしていますが、こうした容器は決して安くはありません。
また、活きたアーカイブを維持するため資料はすべてQRコードで管理していますが、資料ごとにつけられる識別番号のシールなど細かな消耗品も多数ございます。
デコカセなど修理が難しい機器には、特殊な用具が必要で、時には生産が終了しているパーツの再生産を行うことも。
どんなに情熱を注いでボランティアで作業にあたるスタッフがいても、その活動を支えるための資金がなければ、実際の作業は進められないのです。
現在、ゲーム保存協会の活動に賛同いただける方に、年会費制のサポーター会員への参加を呼び掛けております。1年に1度、3000円、4000円といったお好きな金額でご寄付をいただき、協会の取り組みを支えていただくシステムで、参加された方には活動内容を伝えるニュースレター、どのように寄付が使われているのかお確かめいただける決算報告などを差し上げております。
「誰かがやっているから、安心。」ではなく「これからも続けてほしいから。」の一言が、ゲームを未来に残す鍵になります。
ぜひ、ご参加をお願いいたします。
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ゲーム保存協会についてのドキュメンタリーが放映されます
今年の春より長期の密着取材を受けていたNHKワールドのドキュメンタリーが、ついに放映されます。
NHKワールドTVにて、
11月28日(月)10:30-10:58 / 16:30- 16:58 / 19:30-11:58 / 04:30-04:58
の各時間帯に流れ、NHKワールド公式アプリやホームページからLiveでご覧いただけます。
ケーブルテレビをお持ちの方は是非番組の録画を。
ドキュメンタリーの言語は英語です。
放映日から2週間を過ぎますと、視聴ができなくなります。放映日当日のテレビでのご視聴をおススメいたします。
番組詳細についてはこちら(英語・予告編映像がご覧いただけます)
http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/tv/lens/315_28.html
28分に及ぶこのドキュメンタリーでは、ゲーム保存協会の実際の活動内容をご覧いただくことができます。
ゲーム保存と言っても、私たちゲーム保存協会が扱う「ゲーム」は多種多様。専門的な内容も多く、実際に何をしているのか想像しにくい部分もございますが、こちらのドキュメンタリーでは、メンバーらがどんな風に日々ゲーム保存活動を進めているのかが丁寧に映されております。
ちなみに映像の中で使われている素敵なドットアニメは、世界的に人気の「洞窟物語」を作った天谷大輔さん(開発室Pixel)が作ってくださったもの。
監督はマリー・リントン。半年間、団体活動に寄り添い、丁寧な取材を重ねてくださいました。
ゲーム保存に挑む人々の活躍を描いた長編ドキュメンタリー、所々に挟まれるキュートなアニメーションもぜひお見逃しなく!