福岡県出身
ゲーム企画
シナリオライター
デビュー作:
あどべんちゃー・イン・はかた(1983年)
主な作品:
殺人倶楽部〔マーダークラブ〕(1986年)
琥珀色の遺言~西洋骨牌連続殺人事件~(1988年)
黄金の羅針盤~翔洋丸桑港航路殺人事件~(1990年)
アナザーコード 2つの記憶(2005年)
ウィッシュルーム 天使の記憶(2007年)
本人からのメッセージ:
ゲームの保存活動は、エンターテインメント遺産の未来への継承。
この度は「ゲーム保存協会」の名誉会員にご推薦賜り、過分なご高配に深謝申し上げます。日本が世界に誇るゲーム文化の創造と製造の過程で生み出された貴重な資料を未来に伝えていくという崇高な願いに取り組まれておられる「ゲーム保存協会」に関われることは大きな喜びです。
プレイヤーの記憶に残るゲームを作りたいというのが私の制作信条です。
80年代にPCに初めて触れ、手探りでゲームを作り始めました。それは当時、何か新しいことをやりたいという若い思いからのテクノロジーへの挑戦でしたが、その挑戦は幸い刹那とならず、やがて私にゲームを作る面白さと厳しさ、そして人に遊びを提供する喜びを教えてくれ、ゲーム制作は生涯をかけて携わっていく自分の仕事となりました。
ゲームはどんな時代でも常に自由で可能性のあるエンターテインメント。その面白さの定義は常に更新・加算されており、様々な制作信条を持ったクリエイターから新たなタイトルが、今も次々と生み出されています。
しかしそれらのタイトルの多くは、メディアとプラットフォームの変遷が激しいゲーム業界ならではの足かせがあり、その保存と再現が大変難しいものとなっています。私自身も自分が生み出したゲームはやがてプレイできなくなるものだと思い込んでおりました。
しかし先日、ゲーム保存協会設立10周年のストリーミング配信に呼んでいただいた際、再現をあきらめていたかつてのタイトルのプレイ画面を目の当たりにしてその懐かしさに感動し、自分が生み出したタイトルもゲームという文化に残る足跡、歴史の一つになっていたと認識できる瞬間を体験しました。またその後、海外のプレイヤーの方たちとその情報を共有し、日本のゲームに対する熱い思いを伺えたことは作り手として大きな喜びで、改めて世界に向けてゲームを作り続けようとの想いを強くいたしました。
今、日本のゲーム業界が直面している海外シェアの落ち込み、それは海外との趣味・嗜好の違いだと言い切って済むものではないと思っています。世界に愛されるゲームを作り続けるためにも、これまでの日本のゲームを振り返り、誇りを持って前に進むことが大切だと信じます。
微力ながら、「ゲーム保存協会」の活動の一助になることが出来れば幸いです。
略歴:
1983年、福岡にて株式会社リバーヒルソフトを岡崎一博氏とともに創業、ゲーム制作を開始する。同社の企画、シナリオを担当し、数多くのアドベンチャーゲームを開発する。中でもミステリーアドベンチャーゲームを得意とし、1986年にJ.B.ハロルドシリーズ第一作となる「殺人倶楽部(マーダークラブ)」を発表。その後、「マンハッタン・レクイエム」「殺意の接吻(KISS OF MURDER)」「D.C.コネクション」「ブルー・シカゴ・ブルース」とタイトルは続き、同社の代表シリーズとなる。その後も複数のゲーム企画・シナリオを手掛ける中、大正時代を背景とした藤堂龍之介探偵日記シリーズとなる「琥珀色の遺言~西洋骨牌連続殺人事件~」「黄金の羅針盤~翔洋丸桑港航路殺人事件~」を発表。1920年代の世界観が幅広い層から人気を得る。 1999年からは株式会社シングの取締役副社長へ就任。コンシューマーでも「アナザーコード」「ウィッシュルーム」などのアドベンチャーゲームの開発を経て、 現在は株式会社ベルウッド代表取締役に就任。
ゲーム作品:
【リバーヒルソフト】
殺人倶楽部〔マーダークラブ〕
マンハッタン・レクイエム
殺意の接吻〔KISS OF MURDER〕
琥珀色の遺言~西洋骨牌連続殺人事件~
D.C.コネクション
黄金の羅針盤~翔洋丸桑港航路殺人事件~
【シング】
玻璃ノ薔薇
アナザーコード 2つの記憶
ウィッシュルーム 天使の記憶
アナザーコード:R 記憶の扉
AGAIN FBI超心理捜査官
ラストウィンドウ 真夜中の約束
【ベルウッド】
ブラックローズサスペクツ
関連コンテンツ:
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