チャレンジAVG風レビュー

古びた洋館に眠る16種類の財宝を探せ!
クランストンマナー by よこしん氏


はじめに

クランストンマナーは、もともとシェラオンライン社の同名のゲームである。シェラオンライン社といえば、「ミステリーハウス」「ウィザード&ザ・プリンセス」などのアドベンチャーゲームを制作した大御所で、クランストンマナーは「ミッションアステロイド」に続く4作目ということになる。このゲームは、「クランストン邸」という1つの家を舞台にしているので、「ウィザード&ザ・プリンセス」などよりスケールは小さく感じるが、屋敷の中は実に広い。2階もあるし、やたらと広い地下もある。このゲームの目的は屋敷にある16の財宝を見つけ出すことで、「ミステリーハウス」と違い、1つの目的を達成するのではなく、16の目的をどの順番でも構わないから達成するというものだ。屋敷のからくりは、考えられるあらゆるものを想定して入れたように思われ、室内アドベンチャーとしてはこの規模を超えるものは国産、海外を問わず、匹敵するものはないと思われる。惜しむらくは、相変わらずグラフィックの表示が遅いことだ。「ウィザード&ザ・プリンセス」以来、技術的な進歩がみられない(これはファンハウスミステリーまで解消されていないのだが・・)。ともかくアドベンチャーゲームの王道を行く本作品、時間があれば是非チャレンジしてもらいたいものである。(Y.ROMI)。

「クランストンマナー」に関連するすべての画面写真、パッケージ写真の著作権は株式会社スタークラフトに帰属します。


ストーリー

クランストン卿が死んでから二十年の月日が過ぎ去りました。魂の抜けた彼のむくろを発見したのは、かくいう私でございます。その唇には、死神をあざ笑うかのごとく、悪魔のような微笑が冷たく凍り付いていたのを今でも覚えております。
私の名はイゴール、偏屈者の主人に三十年も仕えていた執事でした。主人から信頼された使用人とは申しませんが、クランストン卿は誰をも信用しようとはなさらないお人だと申したほうがよろしいかと存じます。
彼の悲報に接したとき、町の人々は喜びを隠し切れず、屋敷の周りに集まって歓声をあげておりました。やっと強欲な領主の支配から解放されたことを喜んでいたのです。
私も同様に喜んだことを認めなければなりません。クランストン卿には子供がなく、不正な手段で手に入れた財宝を受け継ぐ親族も一人としていませんでした。私としても、いつとはなしに幾ばくかの遺産を受け取れるものと思いこんでいたのでした。
しかし、われわれの喜びは底の浅いものだったことを思い知らされたのです。彼の葬儀から三日後に遺言状が発表されたのですが、それは次のようなものだったのです。
「我輩、クランストンは虚ろな身体となれども、我が財宝は誰の手にも渡しはせぬ。遺産は我が霊魂に守られて、永遠にクランストン屋敷に眠るであろう。」
私の生涯の夢は無残にも打ち砕かれてしまったのです。三十年にわたり、虐待に耐え、機嫌をとりつづけてきたのはいったい何のためだったのでございましょう。結局、何も手に入らないまま放り出されてしまったのです。その結果、16個の財宝が、いまだに崩れかかった壁に囲まれた敷地内のどこかに眠っているのです。誰か勇敢な人なら、その財宝を手に入れられるかもしれません。いやいや、そんなことをするのはよほどバカものかも知れませんが、とにかくやってみる価値はあるのです。
私は馬鹿でも勇敢でもございませんので、こうして生きながらえておりますが、これまで何人もの人々が宝捜しを試みました。しかし一人として生き残って帰ってきたものはいないのでございます。
死者となったいまでさえ、やはりクランストン卿は恐ろしい存在なのだと申せましょう。彼の屋敷は迷路のようになっており、この私でさえ隅々まで知っているわけではありません。敷地内には様々な罠がしかけられております。
クランストン卿の生前、私は彼が奇妙な鎧やおもちゃの兵隊をいじりまわして、何か細工しているのを目撃しております。また、彼は広々とした池を死の水族館に変えてしまったのも知っています。動物たちは財宝を守るためには、進んで命を投げ出すように訓練されております。クランストン卿は依然として打ち倒しがたい存在なのでございます。
詐術に満ちたその生涯を通じて、忍耐と勇気、そして論理的な思考力と冒険者に必要な運のよさ、これらをクランストン卿は尊重していたのでございます。
何ですって、あなたはこれらの資格を持っているし、霊魂なんて信じてはいないとおっしゃる・・・それではあなたの能力とコンピュータの力を集中して挑戦してごらんなさい。この二つのものだけが、あなたを待ちうけている難事業を成功させる武器なのです。
ああそうでした。もちろんこのほかにもあなたに必要な道具がたくさんあるのです。しかしそれらはこの冒険の途中で御自分で見つけるように努力してごらんなさいまし。無論、私も出来る限りのお手伝いは致すつもりです・・。


ゲームの説明

 このゲームは、特に不条理な設定もなく、純粋に楽しめるアドベンチャーゲームだと思う。ちゃんとそれぞれの行動に理由付けないしはヒントが与えられるからである。そういう意味では、謎解きの難易度は高いかもしれないが、地道にやるなら入門向けといえるかもしれない。
 入力は、カタカナ入力のみで、「名詞 動詞」「動詞 名詞」のどちらでも受け付けてくれるが、「動詞 名詞」で受け付けない組み合わせを「名詞 動詞」で受け付けてくれる場合がいくつか見られるので、「名詞 動詞」で統一したほうがよいであろう。また、3単語を並べて入力するような特殊な場面はないが、ときおり1単語のみの入力が要求される。
なお、コメントが必ずしもその場面の解答を表すとは限りません。

 ここがキミの出発点となるところだ。西には広大なとうもろこし畑がひろがっている。さびれた街には、人影も見当たらない。
 商店街だ。どの店も閉まっていて、かつての栄えていた街並みがウソのようだ。ぜひ財宝を手に入れて、街をよみがえらせようじゃないの。
 ある一件の店の前だ。ショーウィンドウには何にも並んでなくて、店をやってる様子もないけど、ドアは空いてるぞ。どれどれ中に入ってみましょうか。ごめんくださぁい。
 しばらく使われていないのか、やけにホコリっぽい店の中だ。カウンターにはなにか貼ってある。なになに・・・そりゃどうもご親切に。お世話になります。
 街を歩いていると、鉄屑置き場に着いた。たいていのアドベンチャーゲームでは、こういうところに有効なモノが落ちてるんですが、ここも例外ではありません。コレがないと先に進みませんからね。
 クランストン邸の玄関にやってきた。もちろん頑丈な鍵がかかっている。こんなものチョチョイのチョイと開けてしまいたいのだが、そう簡単に中に入れそうもない。
 館の西側にまわってきたら、裏門を見つけた。うーん門はサビついているものの、ここもちゃんと鍵がかかっているんだ。
仕方がないので壁にそって歩いてきた。かなり古いお屋敷のようで、中のレンガがむき出しになっている。ということはそれだけモロくなっているのかな?
 なんとかお屋敷に進入することができたぞ。宝物さがしは屋敷に入らないとはじまらないもんね。目の前には広い庭が広がっている。
 庭の真ん中には、噴水があって、中にはお腹を空かせたピラニアさんがウジャウジャ泳いでいる。キミかエサにならないようにネ。
 中央に立っている彫像によじ登ってみた。遠くから見たらヒンソな像だったけど、近づいたらこんなリリシイ目をしたネコさんだったんですね。
 庭の北側には、垣根の迷路がある。マッピングに苦労するかもしれないけど、ガンバッテ!こういうところは持ち物を置いて移動してみるのがいい方法だ。
 それにしても広い屋敷だなァ。こんなとこに一度は住んでみたいけど、一人だと逆に寂しいだろうなぁ。広い庭でパーティーなんかいいかも。
 垣根の迷路をさまよっているうちに、東屋(あずまや)にでてきてしまった。あれ、アソコに落ちているものはなんだ?
 庭の東側には、かなり大きなガレージがある。大きさからして、リンカーンコンチネンタルみたいな超高級車が止めてあったにちがいない。
  駐車場は2階建てになっていて、ここはその2階。やっぱりお金持ちの趣味はゴルフなんでしょうか。でもこのクラブ、固定されてて引き抜くことができない。
 屋敷の門にやってきた。中には何がボクを待ち受けているのだろうか。でもでかいドアだなぁ。しかしこのドアには鍵はかかっていない。
 中に入ってボクを迎え入れてくれたのは、亡霊だった・・・って盾と剣を持った亡霊がふわふわさまよっている。メッセージには「オソロシイ」とか「ブキミナ」とか出てくるけど、そんな風に見えない・・・
 でもこの亡霊さんがいると、肝心なところで手がシビれてしまって、思うように行動できないのだ。早く弱点を見つけて退散してもらっちゃおう。
 ここは更衣室です。ドレッサーの鏡にはボクのたくましい顔が映っています。でも手前のドアが気になるんだけど、カギがかかってて開かない。実はこのドアの鍵は、もう一個所の鍵も開けれるのだ。

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