ガキ大将野球拳


セントラル教育より1984年2月に発売


これぞ、カルトゲーム

「作った人も勇気があるが、買う人も勇気が必要だった」。こんな言葉が当てはまるゲームがこのゲーム以外に存在するだろうか?
実はこのゲームはFM-7用のゲームで恐らくPC8801では発売されていない。しかしこれほどインパクトのあるゲームが昔に存在したことをみすみす本CD-ROMで逃す手はない。よってレビューとして収録することに決定した(笑)。

セントラル教育(セントラルエージェンシー)。「暴走CPUシリーズ」という凄まじい名前のシリーズ名を掲げ、低価格ソフトを発売していたメーカーである。低価格といっても並ではない。なんと1,980円である。そしてその内容もかなりユニークだ。並いる忍者の中を突破するその名も「忍者切る切る」世界一弱いという噂の市販オセロソフト、その名も「オセロ」。精神病院にいる患者を治療する不気味な「インターンアドベンチャー」。ともかくよくわからないソフトを連発した、いま筆者の中では一番輝いているメーカーである。
一体どのような会社だったのか調査したが、まったくその足取りを追うことはできなかった、謎のメーカーだ。
だいたい、「セントラル教育」ってなにが「教育」なのだろうか?



恐る恐るゲーム開始

さてガキ大将野球拳。薔薇族(古い)に送るゲームである。女の子を脱がすゲームは多数存在するが、男を脱がすゲームははっきりいって希少である(一部のCSKのゲームに男をいかすゲームはあったが)。
しかし、ゲーム内容は超手抜き!!(リアルだったら怖いが・・)。この手抜き度をみなさんにも味わってもらおう。

ゲームが開始すると、意味不明なガキが画面上に登場する。すごいタラコ唇とメガネだ。作った人の趣味なのだろうか。注目はシャツの「A」の文字だ。しかし、思いっきり文字がシャツの左に寄っている。これくらいデバッグで気付けっちゅーの。
続いて「イマハヨルデスカ?」というこれまた意味不明な質問がいきなり浴びせられる。しかし「ハイ」でも「イイエ」でもその後なにか変化があるのかといえば、何も無い(と思う)。

さてさて、ここでカーソルを移動して「グー」「チョキ」「パー」を選択。ジャンケンに勝つとガキが服を脱いで、負けると自分が脱ぐことなる。なんとか一枚目を脱がしてみると・・・なんと「B」という服を着ているじゃないか! しかも「オレ、アト7マイ」。おまえあと7枚も着ているんか!

こいつ、イカサマしているのかなかなか勝てません。しかし根性でもう一枚脱がしてみると、なんと服に「CES」のマーク(多分セントラル教育の略)が・・・。「セントラル教育」のトレーナーなんか着るなっつーの。でも密かに欲しい

次に脱がすとなんとシャツにハートマークが・・・。もうどんな服を着ていても私は驚きません! 脱ぐときのセリフ「3枚目の服脱いじゃう!」に激怒。

次に勝つとようやくシャツに到着。プレーヤーが負けるとくだらないセリフを言う。「オズボン オヌギニナッテ」とか・・。

やっとパンツ一枚まで漕ぎ着いたが・・すごいガラパン。「パンツ一枚・・でも気持ちいい・・・」なんてセリフがでるあたり、製作者の気持ちがストレートに出ているようだ。

そして最後の勝負に勝つと・・・

・・・ぶち殺す!!!




結論(ぉぃ)

本作は恐らく日本初のアニキゲームだろう。しかしあまりに短絡思考の作品だったために失敗。そしてアニキゲーの地位は失墜してしまうことになった。PC-Engineの「超兄貴」までアニキゲーの暗黒の時代が到来してしまったのである。なんとも罪深い作品である。

どうでもいいが、こんなソフトが存在していたという事実自体、パソコンゲームの奥の深さを感じさせます。セントラル教育様、このソフトを発売し、堂々と広告に出していたあなたの勇気に感服します!

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