ロボパル


バンダイより1984年12月に発売


概要

「ロボパル」をご存知だろうか? ロボパルは、1984年にバンダイから発売されたパソコンで操作できるラジコンロボットである。キーボードで直接操作したり、プログラムして何度も同じ動きを繰り返させたり、いろんな遊び方が考えられるものだった。

ロボパルは本体とコントロール・ユニットに分かれている。コントロール・ユニットは、プリンタインターフェイスを使って接続する。ロボパルは、全長185mm、全幅250mm、全高154mm、重量620gで、最大速度25cm/s、航続時間は約3時間、電波の到達距離は見とおし直線距離で約10cmとなっている。使用電源は動力用として単三乾電池3本、受信機用として006P(9V)1本で、送信側にも006P(9V)1本を使用する。

ロボパル自体は、前進、後進、左右回転、腕を上下させることができ、それぞれのアクションはディスプレイを見ながら指令することができる。




添付ソフト

ロボパル添付のコントロールソフトには、「コンストラクションテスト」、「リアルタイム・アクション&トレース」、「シミュレーション」の3つのモードがある。まずはじめは「コンストラクションテスト」のモードを選びロボパルを走行および回転させて、実走行値との誤差を補正してから、他のモードに進む。

「リアルタイムアクション&トレース」では、ロボパルをキーまたはジョイスティックによって直接コントロールする。このとき、ディスプレイ上にロボパルの動いた軌跡が表示され、その動きを後でトレースさせることができる。

ロボパルをスタート位置にセッティングした後、「リアルタイム・アクションモード」にてロボパルを動かし、そのアクションをやめた時点でトレースモードに入ることができる。「トレースモード」では、それまでのロボパルの動きを記憶していて、画面に表示されているロボパルの軌跡に従って走行アクションを行う。

「シミュレーション」は、キーボードからロボパルの動作を入力し、画面上に走行ラインと走行内容を表示してシミュレートし、後でロボパルにトレースさせるというものである。



古き良き時代のロボット

ロボットというのは不思議に魅力がある。88のゲーム世代の人間は、「ガンダム」や「マクロス」に影響されている人が多いと思うし、その分余計に「ロボット」を作りたいとか、ロボットを動かしたいとか、そんな夢があったと思う。最近でもソニーから発売されたアイボという犬型ロボットが大人気となったりと、ロボットに対する我々の興味は尽きないものがある。ちなみにバンダイから、2000年秋に「BN-1」という猫型ロボットが発売される予定になっており、これを見たときに思わずロボパル2号かと思ってしまった。
ロボパルはちょっと早めに発売された未来のロボットだった。電源が入ると目が光り、見た目も小さくて憎めないヤツだった。ちょっとしたものから掴むこともできた。しかし、当時16800円もしたこの高価なロボットは、ごく一部の人だけが知るほんの小さな娯楽でしかなかった。こんな古き良き時代の小さなロボットが存在したことを、我々だけでも記憶にとどめておこうではないか。

参考文献:工学社Pio 85年1月号

「ロボパル」に関連するすべての画面写真、パッケージ写真の著作権はバンダイに帰属します。