ハイドライド2 by 市川氏


T&ESOFTより1985年10月に発売


世間を騒がせた罪なゲーム?

時は1985年。この時期、ザナドゥの強力なライバルがいた。それがこのハイドライド2である。このシリーズの1と3はコンシューマ機へも移植されたので、パソコンを持っていなかったゲーマーも名前くらいは聞いたことがあるだろう。だが、このハイドライド2だけはパソコンゲームの枠から出ることはなかった。それはあまりにもパソコンユーザー向けすぎたゲームだったからかもしれない。しかしマニア向けのゲームだからこそ熱狂的なファンも多い。

まぁ今まで私以外にこのゲームが大好きという人間に出会ったことはないが…。しかし雑誌のアンケートでもハイドライドシリーズでの人気で常に最下位をキープしてきたこのゲームを心から好きだと言ってくれる人がいることを私は信じてやまない。そう、そこのあなた!あなたのことです。 あれ?聞こえないのかなぁ……。お~い


ゲームとしてのハイドライド2は?



   ハイドライド2は2と言うからには全体的にハイドライドを継承するものでなくてはならない。その点から見てハイドライド2を検証してみると…。

 個人的な感想としてはハイドライドは2になって”ダレる”ゲームになってしまったように感じる。これはまず戦闘システムにアクション性(又はリアルタイム性)が減った為と、「お金」という概念が生まれてしまったからではないだろうか。しかもお金というものに関して言えばあまりにも物価が高い。あの値段ではほとんど闇市である。まぁもしかしたらお店の人の手作り作品だから高いのかもしれないけど…。値段にしてはあまり大した効果が期待できない。やっぱ所詮は素人の作った武具なのだろうか。


 そしてお金の使い道で最もウザいのが修道院での僧侶との修行。\3,000も払わされて実際に勝てる回数は3回がせいぜいだろう。上がるSTRの値は微々たるものである(スローモーションにして何回も勝てる裏技もあるが、あくまで裏技である)。しかもSTRのMAXも大した数値じゃない。ふんだくるだけふんだくってこれではただのイカサマ集団だ。金の大半はここでつぎ込むと言っても過言ではないだろう。しかもランプやらマジックパワーやらいろいろ買うものがあるので、序盤戦ははっきり言って金を稼ぐ為だけに冒険しているようなものである。貧乏はどこでも敵なのである。


 レベルアップのシステムにしても、レベルが上がったとはいえ変わる部分はせいぜいHPぐらいである。実際のところは攻撃のあたる確立や避ける確立も上がっているのだが、苦労してレベルを上げても1レベル上がる程度ではあまり効果は感じられない。まぁそれでもレベル15とレベル25ではかなり差があるのはたしかだが、それでも「俺は強くなった!」というものではない。せいぜい「やっと攻撃が当たり易くなった」といった程度のものである。一応はアクションRPGとなっているわけだから、強くなった実感がないというのはなんとも情けない限りである。これで敵とのアクションが楽しいものならともかく、ただ面倒なだけの作業ときているからなんとも悲しい。


ではハイドライド2の良い点とは?

 これはまさしく人それぞれであろう。個人的にはシステムな部分ではゲームとしては良いものとはあまり思えない。私は一応、このゲームはPC-88、X1、FM-7、MSXとクリアしてきたが、どれも大差はなかった。 まぁ私個人としては最後の闘いの場がとてつもなく好きではあるが…それ以外に誉められるところはあまりないといったところであろうか。


でもね・・

悪口ばかりを言ってしまったハイドライド2であるが、やっぱり私はこのゲームが好きである。なんだかんだ言って6回はクリアしているし、悪い部分も含めて全部好きだったりする。悪い部分も全て含めてそれがハイドライド2だからである。これはもう恋愛の域ね…。うふ

 これが正しいゲーム批評である、うん(最低)。

<文章 市川氏>


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