トリビアQ
ビクター音楽産業より1985年11月に発売
はじめに
トリビアとはアメリカで大流行したクイズのことである。日本でもこの当時テレビなどでもクイズ番組が多く放映されていて、クイズブームであった。そんな中、ビクター音楽産業が発売したのが、トリビアをパソコンゲーム化した「トリビアQ」であった。
ゲームの概要
このゲームは2人で同時にプレーすることができる。早押し方式である。もちろん一人でも十分にプレーすることが可能だ。ゲームが開始するとジャンルを選択する。ジャンルは、6種類あり、「ねあか」「ねくら」「じゅうばこ」「ぶりっこ」「しゅうとめ」「おまかせ」である。ジャンルがいまいちよくわからないが、これは従来のジャンル、たとえば「スポーツ」とか「芸能」とかではおもろしくないという意見から、このような変わった形式になったのだろう。「ねあか」は明るい人にぴったりの問題、たとえばテレビ番組やポップスについて、「ねくら」は暗い人への問題で「鉄道模型」や「切手収集」など・・しかし、よく考えて見るとすごい偏見のあるような気もするのだが・・・。
ジャンルを選択するとクイズが出題される。クイズの解答の制限時間はたったの5秒。10問ずつのステージをクリアしていく。出題は4択を中心とした選択形式である。解答は早ければ早いほど得点は高い。また、1ステージを無事終了すると、ボーナスクイズがあり、ここで自分の持ち点を賭けて勝負することができる。たとえば、持ち点10,000点のうち、5,000点を賭けてボーナスクイズにトライし、正解ならばこの5,000点が加算され、15,000点になる。
ゲームの感想
このゲームはビクター音楽産業の中でもかなり出来がよいソフトだったと記憶している。まずはゲームシステムだが、プレイヤーは最大2人まででファンクションキーを使って問いに答えていくリアルタイムのクイズゲームだ。記憶では、このようなリアルタイム性をもとめたクイズゲームはこれが初めての作品だったと思う。なぜかクイズゲームというのは、パソコンではほとんど発売されていなかった。記憶にあるのは、これとFM-7用の「○×?」というポリシーのゲームだけだったと思う。
リアルタイムに減っていく時間は左右端っこにかわいらしいキャラクターが上に登っていき、上のモンスターに食べられると時間切れとなってまう。クイズゲーム全般にいえることだが、単純明解シンプルだけど、なぜかはまってしまう。このゲームもそんなゲームの1つであった。
当時「女のコ」向けのパソコンゲームなど皆無に等しかったと思うが、このゲームは、女のコでも気軽にプレーできた。現に、知り合いの女の子がこのゲームにはまってしまい、問題をすべて覚えてしまったというから驚きだ。また、これを購入した人は、当時流行っていた、日本テレビの「アメリカ横断ウルトラクイズ」に出たいとか、そういう夢のある人も多かったのではないだろうか。
最後に
クイズゲームを作るときに一番やっかいなのは、問題を考えることと、漢字も混ぜてそれを入力することだと思う。トリビアQは驚くことに2000問もの問題数を誇っている。これはすべてオリジナル問題で、ビクター音楽産業が外注を使って作らせたのだと思うのだが、当時にしてこの問題数は実に立派といえるのではないだろうか。あまりに問題が多かったせいか、ビクターの社内でも発売前に最終ステージにいけた人がいなかったなんていうエピソードもあるくらいである。また、後に問題だけのデータ集を発売する予定もあったのだが、売上が良くなかったためなのか、残念ながら発売されずじまいに終わってしまった。
また、「トリビアQ」と別のゲームで「ウルトラクイズ」というものが発売予定だったのだが、広告がいかにも日本テレビの「アメリカ横断ウルトラクイズ」を意識しており、どうも版権の関係でポシャってしまったようだ。残念である。
結局、このゲーム以来、面白いと思ったクイズゲームは、パソコンゲームの中ではFM-TOWNSの「アメリカ横断ウルトラクイズ(富士通パソコンシステムズ)」ぐらいだった。その間の十数年はなにもなかった。個人的な意見で申し訳ないが、これは当時いかにこのゲームの出来がよかったかということを証明しているのではないだろうか。
協力:ギニュウ氏
「トリビアQ」に関連するすべての画面写真、パッケージ写真の著作権はビクター音楽産業に帰属します。