NPO法人ゲーム保存協会恒例イベント

心もせわしい年の暮れ、いかがお過ごしでしょうか。
本日はまず来年1月に開催するイベントについてのお知らせです。

【日時】 2015年1月31日(土)
     13:30~16:30
【場所】 てくのかわさき 第1研修室
     川崎市高津区溝口1-6-10
JR南武線「武蔵溝ノ口駅」北口、東急田園都市線「溝の口駅」より徒歩5分溝の口駅 徒歩5分
http://zai-roudoufukushi-kanagawa.or.jp/tekuno-floor.html

【内容】 フロッピーの保存作業と誰にでもできる分析!
     ぜひ、あなたの思い入れあるフロッピーを1枚お持ちください!

2015年も引き続き、みなさんと一緒に実際に資料を使いながら保存に必要なテクニックをお見せしていくアトリエ形式のイベントを行っていきます。フロッピー資料の高精度保存のノウハウはゲーム保存協会の十八番の一つ、今回は分析についてもお話ししていきま。参加無料でどなたでもお入りいただけますので、ぜひ博物館レベルの保存作業の実態をご自身の目でお確かめください♪

新年、皆さんと会場でお会いするのを一同心よりお待ちしております。

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■事務所お引越しのお知らせ■

日頃はNPO法人ゲーム保存協会に温かいご声援を頂き、誠にありがとうございます。
2011年より東京都江戸川区を拠点に活動を続けてきた当協会ですが、
このたび事務所が移転致しましたので、遅ればせながら皆様にお知らせ申し上げます。
新たな事務所は東京都世田谷区、多摩川をのぞむ自然豊かな地区です。
今後はここから、全国の協会メンバーと連携を取り、ゲーム保存事業の最前線について皆様にお知らせしていきます。
ゲーム研究を行う人々にとっての情報共有地となれれば、との思いで現在、図書室の整備も進めております。
どうぞ今後ともNPO法人ゲーム保存協会を、よろしくお願いいたします。  

                NPO法人ゲーム保存協会
             東京都世田谷区等々力8-19-1 椎の木山ガーデンテラスC号
                 理事長 ルドン ジョゼフ

仏大手新聞社にて当団体が紹介されました

ゲーム保存協会と理事長ジョゼフの日々の活動の様子が、フランス大手新聞社ル・モンドで記事として紹介されました。
テクノロジーに関するニュースを掲載するデジタル版ル・モンド2014年7月17日の記事です。
今回は、このフランス語の記事を翻訳してご紹介いたします。
記事のための取材を受けたのは昨年夏で、協会のメンバー数など記事に書かれている内容は昨年夏の情報のままとなっております。

日本にて、ゲーム保存技術者とともに

 ある団体が、日本の初期のゲームを保存する長く困難な作業に乗り出した。

 「もし何もしなかったら、全てが消えてなくなる運命なのです」、彼の地に移住して13年になるジョゼフ・ルドンは語る。彼は幼い頃から日本のビデオゲームに魅了されてきた。家庭用ゲーム(特にPCエンジン)のみならず、アーケードゲーム(ゲームそのものや筐体などの機器全般)にも関心を寄せており、16歳でパリに出てきたのだが、生まれ故郷エヴィアンにいる頃からすでにゲームは彼にとって第一の関心事だった。日本に行きたいという子供の頃からの夢を実現し2000年に日本にやってきたのだが、その動機は日本のゲームの歴史を研究するためであり、特に日本列島から一度も外に出されたことのないゲーム-ほぼ全ての日本のパソコン用ゲーム-を研究するためだった。
 来日してほどなく、日本では自国のポップカルチャーの保存に十分な関心が払われていないことを知り衝撃を受けた。特にゲームは保存すべき価値があるものとは認識されておらず、1970年代や1980年代の初期のゲーム機の多くが残っていないことを知ったのだ。またその当時使われていた記憶媒体(フロッピーディスクやカセットテープ)は、日本の厳しい気候条件(特に夏は湿度が100%近くに達する)もあり、良好な状態を保つことは困難に思われた。公共機関も民間団体も、ゲームの保存事業に乗り出している様子はみられなかった。
 さらに残念なことに、日本のコレクターの中には保存事業に懐疑的で、自身のコレクションを公にしたくないという考え方も珍しくなかった。これはよくある日本の価値観の一つだが、秘蔵されあまり知られていないレアなものほど、その持ち主にとって高い価値を生み出すという考え方であり、コレクターはしばしばこうした考え方で自身のコレクションを非公開にしておくのだ。それでも、ジョゼフ・ルドンは同じようなゲーム保存の理念を持って日本の文化遺産を保存する必要を感じる日本人、福田と出会った。こうして2011年に彼らはともに『ゲーム保存協会』という、ゲーム保存を目的とした非営利団体を立ち上げたのだ。


写真:東京の住宅地の借家で、ジョゼフは大切にゲームを保管している


写真:協会のラボの一部


写真:協会の建物にある保管室はすでに手狭となってきている


写真:保管容器


写真:ゲーム保存協会がある建物の各部屋には温室時計が壁にかけられている


写真:レアもののスーパーマリオ

 現在この協会には16名のメンバーがいる。第一の狙いはまず、この多種多様な文化を余すことなく正確に記録すること。そして次に、いまだ動作する希少な純正の遺物を収集することだ。東京の住宅地の一角に構えられたラボでおこなわれている彼らの研究で特に印象深いのは、劣化し消滅しつつある古いゲームの保存に用いられる技術の全てである。これらは非常に困難な作業だ。ジョゼフと福田の二人は、よくあるコピー品ではなく完全なオリジナルのみ保存することを絶対のルールとしている。彼らはこうしたゲームを分析・解析し、すでに忘れ去られたテクノロジーについて記録を残し、オリジナルの機器類をデジタル文明黎明期の遺物を探る考古学者のように修復保存する。


写真:ゲーム保存協会はゲームのパッケージや説明書などの保存活動もおこなっている


写真:協会メンバーの一人、松原圭吾は、日本のゲームに関連する全ての書籍と雑誌をコレクションしている


写真:協会の書籍と雑誌のコレクションの一部


写真:大型ゲームセンターの傍らで、レトロゲームを扱うゲームセンターは懐古趣味をもつ日本人を惹きつける


写真:貴重なお宝を求め、ジョゼフは日々、中古屋を巡り歩く


写真:理事の一人である小林正国は、自らも中古販売の会社を立ち上げており、資料の収集をおこなっている


写真:ゲーム保存協会のラボでは保存作業ができる専門の技術者を集めているが、それだけでなくこれから技術を学びたいと考える意欲的な人々も集まってくる


写真:関連会社はすでになく、基板や関連機器は全て、手作業で復元される


写真:カセットテープ版のゲームが入った箱

 こうした活動の中で彼らが誇りに思うような成果も出ている。たとえば秋葉原にあるレトロゲームが遊べるゲームセンター『ナツゲーミュージアム』に行き、デコカセ(データイースト社が1980年代に開発したシステム)と呼ばれる、彼らが修復に成功したゲームで遊ぶことは彼らが誇れる成果の一つだ。「愛着を持って修復するんだ、あたかも1920年代のレトロカーBugattiを修復するようにね」、ジョゼフは語る。ニューヨークの近代美術館によるビデオゲーム・コレクションの購入は、彼らがライフワークと捉えているゲーム保存活動の追い風だ。ジョゼフはしばしば、浮世絵を例に挙げる。この『浮世を写す絵』は、西洋人がコレクションをはじめるまで日本では保存すべきものとは考えられていなかった。しかし今日、浮世絵は国宝と考えられるようになっている。


写真:ジョゼフは、ゲーム保存協会が修復したデコカセを置くナツゲーミュージアムに、しばしば遊びに行く


写真:多くの若い世代には忘れ去られているが、古いゲームは秋葉原のいくつかのゲームセンターで遊ぶことができ、懐古趣味をもつ日本人を魅了している


写真:名古屋近郊のジェネシスというバーには、レトロゲームマニアが集まる

元の記事:Au Japon, avec les conservateurs de jeux vidéo
記者:Nicolas Datiche

イベント【3年目の活動報告およびクイックディスクの保存】のお知らせ

日ごろNPO法人ゲーム保存協会の活動に関心をお寄せいただいております皆様に、イベントのお知らせをいたします。
我々ゲーム保存協会の活動開始、発足から3年が経過いたします。
今回は3年目の活動内容を御報告させていただくとともに、イベントとして日本国内のゲーム保存には避けて通れないクイックディスクメディアについて講演します。
任天堂のファミリーコンピュータディスクシステムに採用されたこのメディアは、他にもMZ-1500など国内PCに採用されていますが、既にドライブ、メディアとも製造が中止されています。
その技術資料などは乏しく、データのデジタル化は90年代に構築された技術で止まっていました。
今回、クイックディスクの技術的解説を行い、新しいデジタル化の方法をお話させていただくと共に、当日会場で実演をさせていただきたいと考えています。
ご興味ご関心ある方はぜひ会場にお越しください。
みなさまのご来場をメンバー一同心よりお待ちしております。

日程
2014年7月26日・土曜日
14:00開始(16:30頃終了予定)

場所:
秋葉原 通運会館 B1F会議室
東京都千代田区外神田3丁目16−18
http://goo.gl/maps/pZiWF

参加無料・予約等なし

ゲーム保存協会 福田