惑星メフィウス by 平井氏
T&ESOFTより1983年10月に発売
初期の秀作アドベンチャー
このゲームが登場するまでは、ゲームと言えばアクションゲームというのが主流だった。もちろん海外では、『ZORK』、『ミステリーハウス』、『ウィザード&プリンセス』などの人気ゲームがあり、AVGというジャンルは、認知度が高かった。日本でもマイクロキャビン社が発売した『南青山アドベンチャー』、『ミステリーハウス』などのAVGが発売されていたが、初めてプレイするジャンルと言うことで、馴染める人と馴染めない人と2分化されてしまった。
そんな中、当時でカセットテープ3本もの容量を使うAVGが発売された。それが
今回レビューする『惑星メフィウス』である。
このゲームが発売されるとたちまち大ヒット商品になり、AVGブームが到来する。(ちなみにT&E社はARPGのジャンルでも『ハイドライド』でブームを起こしている。まあこれは日本ファルコム社の『ザナドゥ』の影響もあるが)
ではなぜ、ブームを起こすほどの人気商品だったのだろうか?
もちろん、大容量を生かした?シーンの多さや(砂漠のシーンがあんなに必要かという話は別にして(逝))、スターウォーズ的なSFの世界観、綺麗なグラフィックというのも、売れた要因なのは間違いない。
しかしそれよりもまず第1に、システムが上げられると私は思う。
往来のAVGというのは、コマンド選択式だった。この『惑星メフィウス』もコ
マンド入力式なのだが、今までのAVGとは違い、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を使っていた。
どういうものかというと、調べたい画面の場所をカーソルで指定できたのである。
それまでのAVGは調べたい物があると、とりあえず場所を"LOOK"して、そこに出てくる単語を見てやっとわかるというパターンが殆どだった。机とか椅子ぐらい
なら直感的にわかるので名詞を入力できるが、なんかの彫像とか見たこと無いような物の場合は、一度辺りを"LOOK"しないとわからないことが多かった。
だが『惑星メフィウス』は、カーソールで直接調べたい物を指示できるので楽である。「なんだそれぐらいなら特に重要視する程の物でもないじゃないか」と思う人もいるかもしれない。しかし、昔からコマンド入力式のAVGをプレイしている人ならわかると思うが、このコマンドを探すという作業は、ゲームを制作したプログラマーが指示した内容でなければ、ゲームは反応してくれない。コマンドのスペルを間違ってもダメだし、ましてやコマンドのヒントがない場合もあるので、それを調べるだけでも精神的に辛いものがある。コマンド探しも楽しみの1つでもあるのだが、それは一般的ではない。
多くのプレイヤーは、"早く"先に進みたいのだから。
喋る?
第2に、”喋った”こと。
PC-6001mk2以降の機種では実際に喋ったのだが、喋れる機能がないハードでも、文字が表示されるのに合わせて、画面のキャラクターの口が動いた。当時、ゲームの中でアニメーションするということは、ハードの性能からいってもなかなか出来ることではなかった。まぁ、口を動かすことぐらいであれば、難しくなかったのかもしれないが、口が動くことによる演出によって、映画っぽい表現が出来ていた。
映画的なストーリーの中で、冒険している。・・・この感覚を感じられたというのは、かなりプレイヤーの事を考えた結果だと思う。
最終的には、全3部作となるほどの人気シリーズとなった。それは、プレイヤーを純粋にゲームのストーリーを楽しんで貰うための工夫があったからだと私は思う。
個人的にはリメイクして欲しいゲーム、NO1の作品である。もちろん、VHD
版も含めてね(逝)
文章:平井氏
「惑星メフィウス」に関連するすべての画面写真、パッケージ写真の著作権は株式会社T&ESOFTに帰属します。