177


マカダミアソフトより1986年9月に発売


Story

強姦・・・ゲームなら罪になりません

「強姦」。実際の行為に及ぶものはいない。なぜなら刑法第177条「強姦罪」に触れることになるからだ。しかし、ゲームなら可能である。このゲームは世の男性・女性諸氏の健全かつ正常なる愛の営みを願い開発されました。あなたの心に潜む、その危険な願望をゲームの世界で存分にお楽しみください。決して現実の世界に足を踏み入れないために。(マニュアルより抜粋)


ゲームの特徴

「177」というのは、刑法第177法(強姦罪)のことである。強姦とは、13歳以上の婦女に対して暴行、脅迫により被害者の意思に反して姦淫することをいう。13歳未満なら単に姦淫だけで被害者の意思に関わらず成立する。
普段の我々の生活で、強姦をしようと思い、実際にそれを実行するものはほとんどいないであろう。もし捕まれば当然警察行きであるし、そもそも道徳的に許されることではない。さらに、我々に理性が存在する限り、そんなことはできないはずである。しかし、このゲームでは、強姦魔そのものにプレーヤーは扮し、21歳のOL、斎藤琴絵をギラギラした目で犯さなければならない。いや、「犯さなければならない」という言い方は少し不適切なのかもしれない。日ごろ溜まった鬱憤をここで発散するのである(笑)。
ちなみに斎藤琴絵は短大を卒業し、現在は外資系コンピュータ会社に勤めるキャリアウーマンである。性格は明るい。血液型はA型。3サイズは、B82・W60・H83。身長は160.9cm。両親にも紹介済みの新藤彰という恋人がいて、ゆくゆくは結婚を考えている。そして、プレーヤーが強姦する日、たまたま学生時代の友人と遊びにいったため、帰りが遅くなったのである。
(注意:こんなことはマニュアルには書いていない。「美少女パソコンブック(徳間コミュニケーションズ発行)」という本に掲載されたものがおもしろかったので、それを引用しただけである(笑))。



ゲームの概要

ゲームの内容は、2つの場面から構成されている。人気のない草むらで、家路につく若い女性を犬などの妨害にもめげずに追い掛け回し、服を全部はぎとるのが第1面。468キーで加速、減速、ジャンプができる。ジャンプ中も加速、減速ができるので、妨害キャラクターを避けるためにこれをうまく利用しなければならない。スペースキーで爆弾を投げ(こいつは爆弾魔でもあったのだ)、それが妨害するキャラクターを破壊するとスコアが増える。なお、女性のすぐ後ろでスペースキーを押すと服を脱がす、あるいは押し倒すことができる。
途中で標識が出るので、それは出来る限り取る必要がある。これは女性が近道をしないようにする効果がある。取っておかないと、思わぬところで女性が家についてしまう。あっさりとゲームオーバーになってしまうので注意が必要である。
妨害キャラクターにつまづいて転ぶとスコアが減ってしまう。画面の左端まで行きすぎると、いきなり出てきた妨害キャラクターにつまづいてしまうことがあるので注意が必要である。スコアがゼロになると男性キャラクターが1人減る。

妨害キャラクターで、触れると死んでしまうのは、みどり亀のミッチェルが起きているとき、犬のスドロコトフスキーが起きているとき、人魂、スカンクのおならである。それから大型扇風機の神風3号は、飛び越さないと後ろに吹き戻されてしまう。

さて、この面、普通にやっていると、いつまで経っても女の人に追いつくことさえできない。まず女に追いつくためには、次のことをチェックする必要がある。
・画面の左端に寄り過ぎていてはいけない。画面下の男性キャラクターの数を表示されているあたりにいるのがベスト。
・ときどき女性が後方にジャンプするので、このときに自分はすぐに加速し、後方にジャンプしてくる女性をすぐさまキャッチするのが正攻法。

この調子で女性の服をすべて脱がせると、第2面に突入する。



第2面の攻略

琴絵を強引に押し倒すと、第2面。プレーヤーは琴絵の太腿を強引に広げて、自分のアレをゆっくりと挿入。琴絵にはもはや立ちあがる力は残されていないが、頭だけは冷静さを取り戻しており、「いけない!感じちゃダメ」と必死に自分に言いか聞かせている。
しかし、体は正直なもの。プレーヤーが腰を動かすたびに、琴絵の顔が快感にゆがみ、思わず「ウッ」と声が漏れるのである。画面上の蘭の花がゆっくりと開き始め、雫がたまっていく。琴絵の敏感な方向を察知し、ときおり他の方向も攻めながら腰を動かさなければならない・・・。このシーンのコツは2468を押すリズム。蘭の花をよくみて攻略していく。



しかし・・

念願かなって女性をイカしたとしても、拍子抜けなエンディングがあるだけで、また次の面が始まってしまう。また、プレーヤーが先にイッてしまうと、琴絵に訴えられて、刑法第177条の強姦罪で訴えられてしまう。どちらにしても強姦した後は、ロクな結末が待っていないということなのか・・・・・。まぁオチとしては「ジャンジャン」という感じでよかったとは思うが。

このゲーム、運が悪かったのか当時国会で槍玉に挙げられてしまい、自主規制により発売自粛になってしまった。他にも過激なアダルトゲームはたくさんあったと思うのだが、なんとも運の悪いソフトである。
しかし、このゲームは実に思いきりがよいというか、男の欲望をそのまま剥き出しにしたソフトで、筆者は好きである。このシャレの効いた世界、現実ではできない強姦をディスプレイの上でやってしまおうという発想、例えそれが道徳的に多少歪んでいるとしても、とてもおもしろくて大胆だと思うのだ。でも当時、筆者やその周りのパソコン少年たちは、どこかアダルトな部分に「恥ずかしさ」があった。触れたいのだが、触れられない「恥ずかしさ」である。そんな少年たちの前に「177」はかなり強烈だった。「天使たちの午後」はアニメ絵調でまだソフトだったが、「177」はパッケージからして発するオーラが違っていた。レンタルソフト屋でさえ、レンタルするのをためらう者も多かっただろう。でも、筆者はこの時代が非常に好きである。パソコンソフトで、ここまで具体的に強姦をしてセックスまでしてしまう、本当の意味でのパソコンでの「シャレの効いたアダルト」ソフトは、国会事件のあとあまり発売されなくなってしまった。その後は、異様な雰囲気をもった2次元の美少女が、妙な色気を振りまくパソコン特有の「アダルト」ゲームに突入してしまったのである。そう、現在のパソコンの異常ともいえるロリコン世界は、国会が世間一般でいう「アダルト」の雰囲気をもった「177」を叩いたせいなのである(笑)



おまけ

このゲーム、おまけとして「いけないミラー」と「あぶない折り紙」というものがついている。そのおまけもストレートなものではなくて、ちょっと細工がしてあるのがいやらしくて味がある。
左はパッケージの中身である。「あぶない折り紙」が左下、説明書が右下、「いけないミラー」が右の黒い部分である(ちょっと見にくい)。

参考文献:
徳間コミュニケーションズ 美少女パソコンブック
最新ロールプレイング・アドベンチャーゲーム ヒント大全集3

177に関連するすべての画面写真、パッケージ写真の著作権はマカダミアソフト(デービーソフト)に帰属します。