アマゾネス by きたかZ氏
スタークラフトより1987年2月に発売
おまけつき「アマゾン学術探検」
いきなり私事で恐縮ですが、私はスタークラフトというメーカーさんが大好きです。ハイレゾアドベンチャーに代表されるガチガチに硬派な作品群にはシビれました。それに、「クモ ミル」、「ソラ ミル」などゲームとは何の関係もないコマンドを入力しても、「今日は雲一つない青空です。」などとキチンとレスポンスしてくれる、ていねいで親切なこだわったつくりも大好きでした。・・・・・が!そんなすぐれたメーカーさんにでも汚点(?)はあります。「上海」、「九龍島」、「闘氣王」のジェイミー3部作とタメをはるぐらいスタクラが、「やってしまった」迷作RPGが、本作「アマゾネス」です。ところで、私は前作の「アマゾン学術探検」をクリアしていません。あまりにも漠々と不毛なゲーム内容に投げ出してしまいました。・・・しかし、「お姉ちゃん」がおまけでついてくるとなると話は別です。(苦笑)
さて、舞台は「アドベンチャーランド」という天然のテーマパーク(なにそれ?)、広大な敷地に散らばった「よろこびのジグ」(註:「快楽と秘密の絵」の意(苦笑))を集めてアマゾネスの王女の寵愛をうけ、すべてのジグを集めると莫大な賞金が手に入るというもの。ただし、お約束ですが命の保証はまったくされていません。一応RPGなためゲームを始めるにあたって、「体質改善センター」でパラメーターを設定するんですが、「後で困る」ならまだしも、「行き詰まる」可能性もあるため慎重に選ぶ必要があります。(けど、ぶっちゃけた話が、初期値以外のパラメーターははっきりいって使えませんので入る必要などありません。)
ここからゲーム開始なのですが、いきなりだだっぴろいアマゾンの原野からスタートします。近くに家のようなものを発見、「交易所」です。このゲーム、序盤はHPの消費が非常に激しいため、中に入ると同時にHPを無料で全回復してくれるありがたい存在です。あと、このゲームは道に落ちてたり、敵をやっつけて手に入れる「お宝」を現金に換金してくれるのも交易所です。(ただ、「はなす」というコマンドがあり、これを選ぶとマスターが、「モモシリ3年チチ8年、満員電車でそれだけ修行をすればおサワリのプロのなれまさあ」だの、「超薄のスキンとかけて核兵器ととく、そのココロは、どっちも怖くて使えない」・・・などと、そばにいたらはりとばしてやりたくなるような「艶笑小咄」を聞かせてくれます。ゲームの疲れもいやされることでしょう(多分))
密林動物をぶっとばせ!
交易所で売られている商品は、食料、ロウソク、救急セット、ムチ、ナイフ、ピストルとそのタマです。食料がなくなるとHPがどんどん減っていくため常に一定量所持しておく必要があり、ロウソクは洞窟に入るときは必須です(あと人間の敵に対しては(一応)武器にもなります)。で、3点の武器についてはどれも高価な上、ムチはすぐ奪われ、ナイフは一度投げたらそれで終わり、ピストルはすぐ壊れるため3つともほとんど意味がないです。ですんで、主人公の攻撃は「体当たり」のみなわけです。(笑)また、 密林や洞窟で主人公を襲う敵は動物(魚も含む)とアマゾネスだけで、敵の出現率は極めて高く、救急セットは必携となるでしょう。
さて、いざプレイしてみると真っ先に現れた敵が、「アルマジロ」・・・「えっ?」と思うまもなく殺されてしまいました・・・「アルマジロに殺された!?」・・・こんな屈辱ありでしょうか?・・・私の脳裏には、昔「マカカーラ」というゲームでマゴマゴしてるうちに猿に瞬殺された悪夢がよみがえりました。しかも、猿ならまだしもアルマジロです。遺族になんて説明したらいいんでしょうか?・・・・・そう、このゲームは情けないほど虚弱で、一発攻撃しては救急パック、一発攻撃しては・・・のくり返しが重要なのです。そうしないと「オオム」や「イルカ」にまでたたきのめされることでしょう・・・
しかし、戦闘に慣れれば徐々にですが強くなります。このゲームは経験値を一定量ためれば自動的にレベルアップするのではなく、神殿にいるアマゾネスの王女の寵愛(要するにナニ)をうけてはじめてレベルアップするという、「段階レベルアップ制」なんですね。寵愛をうけるためには、その王女のジグをすべて集めていることと、一定の「アマゾネス」値(敵アマゾネスを倒した数)が必要で、どちらかが足りなくてもあざけり笑われた上に神殿からポイっと投げ出されてしまうわけです。
(ただ、王女とコトが終わったあとの、「ビュイ」って効果音はちょっとイヤですが・・・)
やっとスタクラの本領発揮
・・・とまあ、このゲームのRPG部分はどうしょうもなくアレ(笑)なんですが、そんな「ダメ」さをふきとばしてくれるのが洞窟の探検です。洞窟の中は迷路になってるんですが、それが実に面白く、無理・無駄のない良くできたパズルになっています!(しかも、オートマッピングなので、ラクチンです。)洞窟を抜けなければ先の土地に進めないとか、落とし穴にわざと落ちないと別の洞窟にいけないとか、ここらへんがまた絶妙なバランスになっていて、はっきりいってRPG部分がかすんで見えなくなるほどです。抜け穴やワープなどもところどころに仕掛けられているので、かなりの注意が必要ですが、慣れればどうってことありません。
・・・ですから結局このゲーム「さして面白くもないけど、やってみてソンはないゲーム」の典型といえるでしょう。王女のえっちCGはチト「濃いめ」ですんで、評価もわかれるところではありますが・・・
まァ、「キマジメなメーカーもこんなことやってました。」というスタクラの歴史を知る上では貴重な作品といえるでしょう。しかし、どっからどうみてもこのゲーム、日本人のセンスじゃないんですけどね・・・詳しくは知らないのですが、同社の「ラスベガス」のようになにか原型があるんでしょうか?知ってらっしゃる方がもしいらっしゃればぜひ情報求ム!です。(余談ですが、どのくらいいるかわからないアマゾネスフェチの人に一言・・・メーカーは違いますが、「アマゾネスの秘宝」というゲームもあります。こちらもかなりバカ度の高いゲームですんでお薦めしておきますね・・・一応(笑))
文章:きたかZ氏
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