アーコン


BPSより1986年6月に発売


どんなゲーム?

BPSといえば、名作「ザ・ブラックオニキス」「ザ・ファイアークリスタル」といったビッグロールプレイングゲームを作ったメーカーです。そして1986年に海外から地味だがとてももすばらしいゲームを移植してくれました。それがこの「アーコン」です。


ゲームの特徴

見た目はチェスのようにコマを移動するゲームですが、中身は違います。ゲームを起動すると、まず対戦するプレーヤーを選択します。人対人(これが一番熱い!)、人対コンピュータ、コンピュータ対コンピュータを選択できます。コンピュータ対コンピュータを傍観するなんてのもおもしろいです。プレーヤーを選択したら、自分の駒をライトサイドかダークサイドかを選びます。チェスではどちらの駒も同じですが、アーコンではライトサイドとダークサイドでは駒が異なります。この選択によって自分の駒の性質が全く変わるのです。筆者が見る限り、若干ダークサイドの方が強いと思われます。



ゲームが開始するとチェスのような盤と駒のキャラクターが表示されます。お互いに駒を進めていきますが、駒の種類が多く、最初はマニュアルを見ながら進めていくことになるでしょう。駒によって移動できる歩数が変わりますし、空を飛べるキャラクターは他のコマの上を通過できます。駒の絵からそのキャラクターが空を飛べるかはすぐに見当がつくでしょう。

このゲームの勝利条件は2つ。ひとつは相手の駒をすべて画面上からなくすこと。もうひとつは、盤上の5箇所のパワーホイントを自軍の駒ですべて埋めることです。



お互いに駒を進めていき、駒が重なると画面が一転してコンバットシーンになります。コンバットアリーナはアクションゲームで、テンキーで駒を動かし、スペースキーでショットを放ちます。画面の横にお互いの体力が表示されており、この体力がゼロになると駒が負けてしまいます。駒によって様々な攻撃方法があり、ゴブリン、ナイトは近づいて棍棒を振るだけ、フェニックスは一定時間自分の周りに炎を出します。その他の駒は基本的に相手にビームのようなものを撃ちますが、強い駒はそのビームの速さや駒の移動速度がずば抜けています。ダークサイドにはおもしろいキャラクターがいます。相手と同等の能力をもつことができる(SHAPESHIFTER)、叫びを周りに発射する(BANSHEE)などです。

そうです、駒が弱くてもテクニック次第ではひっくり返すことも可能なのです。また、どんなに強い駒でも、体力が少ないときに立て続けに攻撃されるとやられてしまうでしょう。これがアーコンのおもしろいところです。



盤は白と黒の色から構成されています。ほとんどのマスは白と黒の色が固定されていますが、中には時間の経過とともに輝度が変わるマスがあります。実はこの輝度が重要で、ライトサイドならば、より白に近いマスで戦闘をした方が有利になり、ダークサイドならば、より黒に近いマスで戦闘をした方が有利になります。有利になるというのは、与えるダメージの量が大きくなるということです。この辺りをよく考えて駒を配置していく必要があります。(写真は「アーコン」のマニュアルより抜粋したもの)

チェスのクイーンにあたるウィザードとソーサレスは7つの魔法を使うことができます。魔法には、駒をいきなりどこにでも飛ばせる「テレポート」や、一度だけ死んだ駒を復活させる「リバイブ」などがあります。一風変わったものでは「エレメンタル」という魔法があります。これは古代の4元素(地、空気、火、水)を召喚し、このエレメンタルで戦うというものです。どのエレメンタルが出てくるかは運ですが、「地のエレメンタル」が出てくるとあまりに弱くて泣きたくなります。この魔法の使い方がこのゲームの勝敗を左右する要素になります。



このゲームは対戦が熱い!いまやっても盛り上がること間違いなしでしょう。ゴブリンにフェニックスがが負けたりすると、もう泣きたくなります・・・。しかし、コンピュータのゴブリンはやたらと強く、正確に棍棒を振り下ろしてきます。コンピュータと対戦しても十分に楽しめるこのゲーム、是非プレーしてみてください。ともかく楽しいゲームです。


「アーコン」に関連するすべての画面写真、パッケージ写真の著作権はBPSに帰属します。