Seed-種をまいた人-
インタビュー

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ピョン太 そこに『スパイ大作戦』を作って持っていったときに、たまたまポニーキャニオングループの人が誰かのつてで来て、「会社を作るんでソフトを探しているんですけど」と言ったときにあったのが、『スパイ大作戦』(笑)

愛妻 あ~なるほど。

ピョン太 それで「これどうですか?」って出して。で、その時にね、ちょうど『スパイ大作戦』ってPC-6001が最初だったんだけど、それがオリジナルで。『スパイ大作戦』の最初の「おはようフェリプス君」って言う所でテープが回るんだけど、テープレコーダーの名前を『S○NY』っていう名前で書いて出していたのね(笑)

愛妻 ははは(笑)

ピョン太 これは困るりますねって言われて(笑) 「直ぐに”S”を”P”に直して」って。『PONY CANION』だから『PONY』で良いやって言って。そういうノリでゲームを作って。「じゃあ出しましょう」って出したのが『スパイ大作戦』。

愛妻 じゃあ『スパイ大作戦』は『PONY』製品で言うと、何本目のソフトになるんですか?

ピョン太 えーと。

愛妻 コンテスト前の・・・。

ピョン太 何本目だったけかな。3本目か4本目ぐらいかな。第1段が出ていて、第2段が出るときに『スパイ大作戦』がっていう形になっていたから。

愛妻 では、デビュー作が『スパイ大作戦』と言うことですね。

ピョン太 いや、『スタートレック』。

愛妻 ああ、そっか。

ピョン太 あ、『スタートレック』と『スパイ大作戦』の間にもう1本あって、『アフリカンコープス』というシミュレーションゲームを作っているんです。

愛妻 『アフリカンコープス』・・・。それは一体、どういうゲームなんですか?

ピョン太 ウォーゲームで、HEXを書いて。これもPC-6001なんだけど。まず・・・早い話、将棋みたいなんだけど、自分の駒をこう並べて。これは砂漠の・・・えーと、勉強していたんだけど忘れちゃったよ(笑) 要はロンメルの戦車軍団。

愛妻 有名なやつですね。

ピョン太 あ、そうだ。タイトル名が『ロンメル戦車軍団』で、オープニングの画像の所に『アフリカンコープス』って出して、ロンメルが辿ってきたものをシミュレーションするって言う形。

愛妻 じゃあ正式な名前は、『ロンメル戦車軍団』なんですね。

ピョン太 『ロンメル戦車軍団』。それが『スタートレック』を出したところから出てきた第2段。で、順番としては『スパイ大作戦』の方が先。同じぐらいだったかな? それは片方はポニーから出して、片方はイマージュソフトっていう通販専門のお店なんですけど。

愛妻 イマージュソフトって結構有名じゃなかったですか?

ピョン太 いや、有名でもないよ。

愛妻 広告をよく見た気がしますよ。

ピョン太 広告はいっぱい出てた。イマージュソフトっていう所で2本出して、『スパイ大作戦』が3作目になるのかな。

愛妻 実際に反響とかはあったんですか?

ピョン太 『スパイ大作戦』は最初のポニーのやつで1番売れて、それで移植しましょうって事になって、移植した。

愛妻 結局、何機種ぐらい移植したんですか? 全部自分でやられたのですか?

ピョン太 88以外は、全部自分でやった(笑)

愛妻 ははは、凄い(笑)

ピョン太 (笑) 88版は実はね。これは今だから言っても良いかもしれないけど、どっかの若い訳わからないね、ヤ○ザっぽい人が勝手に出して、オレが作った様なフリをしてPONYに持ってって、出させて。だから最初、印税が入ってきていなかったのね。そういうゴタゴタもあったんだけど。

愛妻 はぁ~。これはオフレコじゃなくて良いんですか?(笑)

ピョン太 良いよ。後で見たら、殆どオレが作ったプログラムで、絵だけを変えているって感じ。

愛妻 ひゃ~。

ピョン太 それは、ちょっとそういうことがあった。

愛妻 なるほど~。実際には、中のプログラムをごっそり持っていっちゃって、自分の物にしちゃっていることですね。

ピョン太 そうそう。

愛妻 コピー物っていう事ですよね。

ピョン太 でも一応パッケージには、名前が全部書いてあったから、外から見たら全部オレが作っているように見えるんだけど、内部的には違う人が関わっていることになってる。

愛妻 その問題はクリアされたんですか?

ピョン太 まあ、ある程度ね(笑)

愛妻 ははは、はい(笑) 

ピョン太 60(PC-6001の事)と80(PC-8001の事)と88と。えーとMZ-1200とMZ-2000の5機種かな、『スパイ大作戦』は。

愛妻 互換機を合わせれば、もうちょっと量が増えますね。って言うことは。88以外の機種を移植したって事は、他の機種は自分でお持ちだったのですか?

ピョン太 買った(笑)

愛妻 買ったんですか!?

ピョン太 最初の印税で(笑)

愛妻 凄い儲かったって事じゃないですか!(笑)

ピョン太 メチャクチャ儲かった。『スパイ大作戦』と・・・。あと『スタートレック』と『ロンメル戦車軍団』の両方を合わせても、数的には6、7千本ぐらいは売れたのかなぁ。そのときは通販だから、オレに印税だけで30%入ってくる時代だったから。

愛妻 3、30%ですか・・・。

ピョン太 それで計算すればわかるでしょ?(笑)

愛妻 ウヒョヒョヒョ(笑) 

ピョン太 メチャクチャ儲かって。『スパイ大作戦』はそれ以上に儲かったから。そういう風に入ってきたお金を全てマシンにつぎ込んだっていう感じかな。

愛妻 なるほど。私はてっきり、会社で用意されている物を使ってやったのかと。

ピョン太 あ、違う違う。その後ぐらいかな? 会社で作って欲しいって依頼が来るようになったのは。で、マシンを貸し出すからっていう感じで。

愛妻 じゃあ一辺に何機種も入ったわけですね。

ピョン太 それでテクポリ(テクノポリスという雑誌が昔あった)に取材されたことがあってね。テクポリのプログラマーの取材のところでオレの部屋が写っているんだけど、殆どその機種が全部畳の上に並べてあるんだよ。

愛妻 えっ? テクポリって、そういうページがあったんですか?

ピョン太 昔あった。最初の頃のテクポリなんだけど。プログラマーの家を訪問して。

愛妻 あれ~?見ていないなー。一応、昔のゲームを調査するために古いゲームの本は読んでいるんですけど。

ピョン太 あのね、何年何月っていうのは全然覚えていないんだけど、黄色い表紙で川島なおみが表紙なんだよ。

愛妻 ははは(笑)

ピョン太 それだけ覚えている(笑)

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